代官山のヒルサイドテラスに新しくオープンしたTKG Daikanyamaで開催されている具本昌(クー・ボンチャン)さんの写真展 'Soap'へ行ってきました。クー・ボンチャンさんは、韓国を中心に世界で活躍されている写真家です。最近は朝鮮陶磁器の白磁を撮っていて、それをきかっけにその写真の美しさに魅せられました。今回の写真展は、新作の'Soap'。宝石のようなカラフルな色をした石鹸を撮っています。その石鹸は、どれもすり減って角がとれたりヒビが入ったりした使いかけのものです。それを白い余白の中に、正面から撮っただけの写真。鉱石のようにも見えます。そこには、かつて新品の開封されたときのピカピカの華やかさは取れてしまって、使われてやがては消えていく前の儚さを感じます。それゆえの美しさ。クー・ボンチャンさんの撮る写真は、物質的な対象を写しながらも、その内面的から伝わってくる振幅の緩やかな感情を湧き起こさせます。静かな中から聞こえてくる何かを写しとっているようです。会場にはご本人もいらして、とても優しい静かな方でした。写真とご本人の深遠な目に魅了されました。
具本昌(クー・ボンチャン)展 'Soap'
HP
2007年9月14日(金)-29日(土)
TKG Daikanyama(*
小山登美夫ギャラリーの新スペース)
渋谷区猿楽町29-18 ヒルサイドテラスA棟1
クー・ボンチャンさんの新刊の写真集が出版されます。
「
くらしの宝石」 具本昌 ラトルズ 2007年9月20日
今回展示されている'Soap'の写真。会場の展示品よりも多く掲載されていて、さまざまな表情の石鹸が美しいです。
「
白磁」 具本昌 ラトルズ 2007年9月20日
朝鮮白磁の写真集。以前、展覧会図録としてあった
白磁シリーズを新たな写真集として出されたようです。