「伊藤雅風展  急須愛」6日目

伊藤雅風 展  急須愛 」(~12/25迄)の6日目。

深海の底にへばりついたアンコウのように扁平な「窯変急須」と蓋付き片口の「絞り出し」。どちらも中で茶葉を広げて旨みを抽出する玉露に向く急須です。

伊藤雅風さんの急須は、このようにお茶を美味しく入れるための形状にも心がけています。例えば、一煎目の湯をしっかりと注ぎきれるように茶漉や穴の位置を考えたり、茶葉が底で広がるように底部を広くとっています。また中国茶好きな方には形状だけでなく土質との相性を気にする方が多いので、土の種類や仕上げを考慮しています。

雅風さんの急須は意匠性だけではなく、香りや味を愉しむ繊細なお茶に応える急須。お茶の味に関わる端々に神経を注ぐこと。これが伊藤雅風さんの基本です。

d0087761_17521861.jpg


d0087761_18194520.jpg


d0087761_17523391.jpg



伊藤雅風展  急須愛
2018年12月15日(土)~25日(火)会期中無休
営業時間 11時~18時 
ギャラリーうつわノート 埼玉県川越市小仙波町1-7-6 地図

d0087761_2281121.jpgd0087761_2282641.jpg
伊藤雅風プロフィール
1988年 愛知県常滑市に生まれる
2007年 常滑高等学校セラミック科卒業
2009年 村越風月氏に師事
2011年 名古屋造形大学産業工芸コース卒業
2012年 独立
2018年 現在、愛知県常滑市にて制作


# by sora_hikari | 2018-12-20 18:19 | 伊藤雅風展2018

「伊藤雅風展  急須愛」5日目

d0087761_199196.jpg

伊藤雅風 展  急須愛 」(~12/25迄)の5日目。

日本では横手の急須が多く使われますが、このような後手の急須の方が歴史的に古い時代になります。茶銚(ちゃちょう)または茶壺(ちゃふぅ)と呼ばれる中国発祥の形。素地別の朱泥(しゅでい)、紫泥(しでい)、烏泥(うでい)、梨皮泥(りひでい)の分類の他、形状や刻印による具輪珠、萬豊順記、三友居の三大茶銚など、伝統形の基本となるのも中国から来ています。

江戸時代には中国文化は知識や思想に於いて憧憬の的であり、単なる喫茶に留まらない文人趣味にまで昇華した煎茶は、日本でも知識文化層の嗜みでもありました。しかしそのような煎茶趣味も明治まで続きますが、日本が国力をつけ、やがて近隣国を凌駕する立場に転ずると、ナショナリズムの台頭と共に日本独自の文化に目が向けられるようになります。これは焼き物の道具としての位置づけにも影響しているでしょう。斯様に煎茶の歴史を辿ると江戸から明治の中国趣味に繋がります。

今、中国では新たな中国茶ブームがあり、そこに日本人作家の造る急須や茶道具が人気を集めています。特に急須は日本に於ける抹茶茶碗のような特殊な位置づけにあるようです。経済発展を遂げた先に、あらためて精神性を求める茶が尊ばれているのです。唐の時代、明の時代に自らの国が培った茶の文化が、隣国ガラパゴス日本でその精神が引き継がれていたことへの驚きもあったのではないでしょうか。

さて伊藤雅風さんの造る急須ですが、常滑伝統の形を引き継ぎながら、中国伝来の茶銚にも取り組んでいます。それは懐古趣味的な伝統の再現ではなく、雅風さんの考えを盛り込んだ現代のお茶に繋がる急須です。古典の新解釈と言えばいいでしょうか、若干30歳の雅風さんの眼で捉えた新しい風を感じる急須なのです。


伊藤雅風展  急須愛
2018年12月15日(土)~25日(火)会期中無休
営業時間 11時~18時 
ギャラリーうつわノート 埼玉県川越市小仙波町1-7-6 地図

d0087761_2281121.jpgd0087761_2282641.jpg
伊藤雅風プロフィール
1988年 愛知県常滑市に生まれる
2007年 常滑高等学校セラミック科卒業
2009年 村越風月氏に師事
2011年 名古屋造形大学産業工芸コース卒業
2012年 独立
2018年 現在、愛知県常滑市にて制作


# by sora_hikari | 2018-12-19 22:00 | 伊藤雅風展2018

「伊藤雅風展  急須愛」4日目

d0087761_1851023.jpg

伊藤雅風 展  急須愛 」(~12/25迄)の4日目。

伊藤雅風さんの急須の根幹になるのは、やはり「土造り」です。地元・知多半島の土を中心に、伊賀、四日市、静岡、北海道の土など多様な土を使っています。いわば土マニア。

根や石の混ざった原土の状態から、水簸を繰り返して、何度も何度も濾してきめ細かな土にするのに半年から一年をかけます。暑い夏は蚊にさされ、寒い冬は冷たい水に凍えながら、ひたすら愚直に土を造ります。さらにその土を一年間寝かせてようやく急須に向いた土が出来あがります。

人工的な顔料は混ぜず、土そのものを焼く焼締が基本です。きめ細かい土の焼締は、お茶の渋みを軽減し旨みが引き出されると言われています。急須の本家となる中国の宜興急須も、常滑の朱泥急須も、万古の紫泥の急須もみな焼締です。お茶の香りと味を大切にする伝統的な急須は、みな焼締なのです。

土の荒々しさを活かす焼締めもあれば、雅風さんの急須のように土をとことんきめ細かくする焼締もまた「土」の良さを引き出しているのです。


伊藤雅風展  急須愛
2018年12月15日(土)~25日(火)会期中無休
営業時間 11時~18時 
ギャラリーうつわノート 埼玉県川越市小仙波町1-7-6 地図

d0087761_2281121.jpgd0087761_2282641.jpg
伊藤雅風プロフィール
1988年 愛知県常滑市に生まれる
2007年 常滑高等学校セラミック科卒業
2009年 村越風月氏に師事
2011年 名古屋造形大学産業工芸コース卒業
2012年 独立
2018年 現在、愛知県常滑市にて制作


# by sora_hikari | 2018-12-18 19:47 | 伊藤雅風展2018

「第25回日本陶芸展」作品募集のお知らせ

d0087761_1129565.jpg

先にご案内しました「第25回日本陶芸展」の作品募集が始まっています。今回、不肖ながら「生活の器」部門の審査員を務めさせて頂きますので、あらためて公募展のご案内致します。生活の器が広がる現在ですが、一般市場での売買の多寡のみならず、公的な公募展によって評価を受け、記録されることの意義を感じて頂ければと思います。多くの陶芸家の皆様の応募を期待しております。


募集案内(公式サイトより抜粋)
https://www.mainichi.co.jp/tougei/guidelines

1971年に、毎日新聞の創刊100周年記念事業として創設された陶芸の公募展です。以来、「実力日本一の陶芸作家を選ぶ」とのコンセプトを掲げ、隔年開催を続けています。今回の25回展で、創設から約半世紀を迎えることになりました。

本展は、第1部(伝統)、第2部(自由造形)、第3部(生活の器)の公募3部門と、現代陶芸界の巨匠や、気鋭の中堅・若手作家らに制作を依頼する招待部門とで構成されます。

公募の流れ
1)募集期間 2018年12月1日~28日(振込期間)
2)作品搬入 2018年12月1日=2019年1月12日
3)審査会 2019年1月下旬
4)受賞者発表 2019年3月上旬までに毎日新聞紙上・webサイトにて発表
5)展覧会 会期・会場
東京展 大丸東京店 2019年3月28日(木)〜4月2日(火)
大阪展 大丸心斎橋店 2019年4月10日(水)〜15日(月)
茨城展 茨城県陶芸美術館 2019年4月下旬〜7月上旬
九州展 西日本総合展示場 2019年9月19日(木)〜23日(月)
6)賞
大賞・桂宮賜杯(賞金・賞状) 100万円 1点
準大賞・日本陶芸展賞(賞金・賞状) 50万円 1点
優秀作品賞 文部科学大臣賞(賞金・賞状) 50万円 1点
優秀作品賞 毎日新聞社賞(賞金・賞状) 50万円 2点
特別賞 茨城県陶芸美術館賞(買上・賞状) 30万円 1点
特別賞 U35 レオパレス賞(賞金・賞状) 30万円 1点


# by sora_hikari | 2018-12-18 13:25 | おしらせ

「伊藤雅風展  急須愛」3日目

伊藤雅風 展  急須愛 」(~12/25迄)の3日目。

北アフリカ戦線のロンメル戦車のような配色。伊藤雅風さんの藻掛け急須軍団です。急須はお茶を愉しむと同時に、所有する喜びもひとしお。コレクターズアイテムという性格も併せ持っています。「この子たち」と呼ぶようになったら重症です。

d0087761_1718811.jpg


d0087761_17181843.jpg


※写真には売約品も含まれております。


伊藤雅風展  急須愛
2018年12月15日(土)~25日(火)会期中無休
営業時間 11時~18時 
ギャラリーうつわノート 埼玉県川越市小仙波町1-7-6 地図

d0087761_2281121.jpgd0087761_2282641.jpg
伊藤雅風プロフィール
1988年 愛知県常滑市に生まれる
2007年 常滑高等学校セラミック科卒業
2009年 村越風月氏に師事
2011年 名古屋造形大学産業工芸コース卒業
2012年 独立
2018年 現在、愛知県常滑市にて制作


# by sora_hikari | 2018-12-17 17:27 | 伊藤雅風展2018