「芳賀龍一展 焼き物サードウェーブ」開催のお知らせ

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7月6日(土)から14日(日)まで開催する「芳賀龍一展 焼き物サードウェーブ」のご案内です。

栃木県益子町の芳賀龍一さんにとって焼き物は、まず土や石探しから。地元・北関東周辺の野山や河原を巡り原料を見つけることから始まります。それは決して素直に使える陶芸向きの材料ではありません。しかし与し難い原料と格闘し、そのくせも含めて許容し、形造り、焼くとどうなるのか。そこに芳賀さんの興味は収斂します。

美意識の原点には唐九郎、李朝、古唐津があるようですが、決して桃山的様式を踏襲し、その倣作を目指している訳ではありません。美大では彫刻を専攻、在学中に陶芸サークルで焼き物にはまり、今に至ります。陶芸に関しては順序だった教育を受けておらず、いわば独学に近い手探りの中で焼き物を捉えてきたのです。整理され方式化された陶芸の土俵からスタートすればスムーズな道のりもあったでしょう。しかし規定の枠を超えるには、あらためて原点から問い直すことで見えてくる道筋もあると思います。

今、芳賀さんのように焼き物を捉え直して臨む同世代の作り手が増えています。いわば焼き物サードウェーブ。昭和初期に始まる桃山再興が第一の波、昭和中~後期の表現陶が第二の波、そして今興る第三の波、新原理主義。それは表現や技巧が先に向かうのではなく、「土」と「火」によって変化する焼き物の根底に立ち返るという点が特徴です。

さて、芳賀さんの個展。さながら焼き物図鑑のように様々なうつわ、さらにそこからはみ出した作品が並びます。粗削りな焼き物ではあるが、まだまとめる段階ではなく放射していく時期でしょう。かしこまった評価よりも、この発展的に進行する焼き物の根の強さに目を向けて欲しいと思います。皆様のご来店をお待ちしております。店主

芳賀龍一プロフィール
1984年 福島県会津若松市生まれ
2010年 武蔵野美術大学大学院彫刻コース卒業
2013年 栃木県芳賀郡益子町に築窯
2019年 現在、益子町にて製作


芳賀龍一展 焼き物サードウェーブ
Ryuichi Haga Third Wave of Yakimono
2019年7月6日(土)~14日(日) 会期中無休
営業時間 11時~18時 
作家在廊日 7月6日・7日
ギャラリーうつわノート 埼玉県川越市小仙波町1-7-6

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# by sora_hikari | 2019-07-01 16:46 | 芳賀龍一展

「梶原靖元・谷穹二人展 古典再考」ありがとうございました

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梶原靖元・谷穹二人展 古典再考」は本日終了しました。雨の多い会期にも関わらず、ご来店頂きました皆様に厚く御礼申し上げます。

昭和に興った日本の焼き物(桃山再興)ブームは、途絶えていた伝統の技法を手探りで見出し、あらためて独自文化の意識を高めることに繋がったでしょう。それはやがて大きなうねりとなり、経済価値を生み、あるいは権威づけられ、技法も確立されました。これが無ければ、日本の陶芸は芸術運動として位置づけられていなかったかもしれません。しかし、時が経てばやがて形骸化する価値や技法もあるはずです。

梶原靖元さんや谷穹さんは、その形式化された材料や方法に疑念をもつことから始まりました。それは様式化された現代の焼き物と、参照元となる昔の器との質的な違いを実感したからです。これは決して古典の否定ではなく、前向きな肯定なのだと思います。素直に本質的な良さを取り戻したいのだと。そのためには一旦セオリーから離れて、材料や方法論から見直し、実践的に検証すること。これがお二人の尊い成果だと思います。

「古典再考」と大上段な構えに反発を抱く方もいるかもしれません。しかしどこかで掛け違ったボタンを一度はずして、愚直に取り組み直すことで、あらためて古典の良さに気づく事もあるのではないでしょうか。今展でお二人の活動を通して、わずかでも日本の焼き物の美しさを受け止めてくださる方が増えることを願って止みません。

この度はありがとうございました。


これからの営業案内

うつわノート(埼玉県川越市小仙波町1-7-6)
7/01(月)~7/05(金) 搬出・設営休
7/06(土)~7/14(日) 芳賀龍一展
7/15(月)~7/19(金) 搬出・設営休
7/20(土)~7/28(日) 目片千恵展

営業カレンダー

# by sora_hikari | 2019-06-30 19:27 | 梶原靖元・谷穹 展

「梶原靖元・谷穹二人展 古典再考」8日目-2

梶原靖元・谷穹二人展 古典再考」は明日6月30日までとなります。最終日は17時で終了させて頂きます。

こちらは滋賀県信楽町の谷穹さんの工房の様子です。ご実家は清右衛門陶房。江戸末期から続くご家系で、谷さんのお父様である谷清右衞門氏は五代目にあたります。現在の穴窯は昭和45年、先代と当代により築窯されました。当代の谷清右衛門(一苔)氏は「古信楽」を収集し古陶資料館を開設し、古陶の魅力を現代に伝えています。

このような恵まれた環境で育った谷穹さんですが、大学では立体造形を学び、卒業後2000年から彫刻家・中ハシ克シゲ氏のアシスタントとして国内外の展覧会に同行、2001年には北村器山氏の次男・北村寿三氏にろくろ指導、長男・北村器山(二代)氏に穴窯指導を受けました。2003年よりご実家である清右衛門陶房に勤務し、下地を築きます。

さて谷穹さんご自身のお仕事について。ある面から見ればご家系に恵まれたサラブレットであると。しかしその価値に依存せず、古信楽の原点から見つめ直す探求者である。これは分かり易い解釈。

一方で、歴代の築いた価値に依存することが出来ない市場環境に変化した。ならば、あらためてゼロから原点を組み立て直すしかない。つまり死活問題であると。これは自覚していなくとも、信楽以外の価値基準を見てしまった谷穹さんの洞察なのではないかと思う訳です。

谷さんは2007年に信楽の古い窯に倣って、双胴式穴窯を作り、それで古典的信楽が焼けると信じたのです。しかし、狙った焼き肌がいつまでも焼けない。結果が出ない。その挫折から、あらためて古典への向き合い方が変わったのです。

このような経験に基づくことで、その価値フォーマットを疑わざる得ない必然的な状況に置かれた。だからこそ、あらたな古典が再生される、ここが谷穹さんの魅力だと思っています。偉そうじゃなく、しかしマーケットに媚びることもなく、あらためて原点の確かさを求める信楽の在り方に彼の「革新」を見るのです。

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梶原靖元・谷穹二人展 古典再考
2019年6月22日(土)-30日(日) 会期中無休 
最終日は11時から17時まで
ギャラリーうつわノート 埼玉県川越市小仙波町1-7-6 地図

梶原靖元プロフィール
1962年 佐賀県伊万里市生まれ
1980年 唐津焼太閤三ノ丸窯に弟子入り
1986年 京都 平安陶苑にてクラフトを習う
1989年 大丸北峰氏に師事して煎茶道具を習う
1997年 佐賀県唐津市相知町に穴窯築窯
2019年 現在、唐津市相知町佐里にて作陶

谷穹プロフィール
1977年 滋賀県信楽町生まれ
2000年 成安造形大学立体造形クラス卒業
2003年 清右衛門陶房にて修行
2007年 双胴式穴窯を築窯
2012年 単室式穴窯を築窯
2019年 現在、信楽町にて作陶

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# by sora_hikari | 2019-06-29 23:11 | 梶原靖元・谷穹 展

「梶原靖元・谷穹二人展 古典再考」8日目

梶原靖元・谷穹二人展 古典再考」は明日6月30日までとなります。最終日は17時で終了させて頂きます。

写真は唐津市相知町佐里にある梶原靖元さんのお住まいの様子です。ここは唐津焼きの起源とも言われる岸岳古窯跡群の一つ飯洞甕窯跡の近くにあり、古い韓国式の住まいを参考にしています。

古唐津の原料は、石である。この考えを基に、地元・唐津で採れる石(砂岩や頁岩)を臼を使って砕きます。窯焚きも独特の考えで焼成時間は、わずか半日。粘土で作られた半地下式の穴窯。壁面は薄く、短時間で温度が上がり、石を素材にした器は堅く焼き締まります。当時の陶工たちが行った合理的な方法であると考えています。地元で豊富にある素材を使って、シンプルな生産方法であった。その実証こそが、梶原さんの器づくりの基本軸になっています。

古唐津のルーツである韓国の古窯跡の調査へも何度も出掛けています。自らの足で歩き、地元の地層を見ながら古窯を訪ね、自身の考えを検証しています。梶原さんは、商業的な唐津を作ることよりも、その源流を辿ることへの興味の方が勝っているように思えます。今そのルーツ探しは、韓国、中国に跨り、興味は中国の青瓷にも広がっています。唐津の初源の姿を求める旅は、これからも続くのです。

平成15年(2003年)に韓国の古窯を訪ねた際の研修レポートが公開されています。その後、何度も韓国を訪れていますが、梶原さんの言説の背景を伺い知ることができます。お時間があればご覧になってください。

http://www.kyuden.co.jp/library/pdf/chiiki_syakai/h15_kajiwara.pdf



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梶原靖元・谷穹二人展 古典再考
2019年6月22日(土)-30日(日) 会期中無休 
最終日は11時から17時まで
ギャラリーうつわノート 埼玉県川越市小仙波町1-7-6 地図

梶原靖元プロフィール
1962年 佐賀県伊万里市生まれ
1980年 唐津焼太閤三ノ丸窯に弟子入り
1986年 京都 平安陶苑にてクラフトを習う
1989年 大丸北峰氏に師事して煎茶道具を習う
1997年 佐賀県唐津市相知町に穴窯築窯
2019年 現在、唐津市相知町佐里にて作陶

谷穹プロフィール
1977年 滋賀県信楽町生まれ
2000年 成安造形大学立体造形クラス卒業
2003年 清右衛門陶房にて修行
2007年 双胴式穴窯を築窯
2012年 単室式穴窯を築窯
2019年 現在、信楽町にて作陶

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# by sora_hikari | 2019-06-29 16:35 | 梶原靖元・谷穹 展

「梶原靖元・谷穹二人展 古典再考」7日目-3

梶原靖元・谷穹二人展 古典再考」は残すところあと2日となりました。貴重な二人展です。どうぞこの週末にお出掛けください。

谷穹さんの経筒や塔盃。祈りに通じる作品です。中世の焼き物は平安後期の末法思想とも繋がり、当時の浄土への敬虔な思いと焼き物の関係性に気づかされます。さらに古信楽に取り組む先には、緑釉は奈良に繋がり、中国遼の鶏冠壺へ、シルクロードから中東へ向かいます。壮大な歴史ドラマを追う様に、谷さんの意識を知ると見え方も変わってくるでしょう。

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梶原靖元・谷穹二人展 古典再考
2019年6月22日(土)-30日(日) 会期中無休 
営業時間 11時-18時  
ギャラリーうつわノート 埼玉県川越市小仙波町1-7-6 地図

梶原靖元プロフィール
1962年 佐賀県伊万里市生まれ
1980年 唐津焼太閤三ノ丸窯に弟子入り
1986年 京都 平安陶苑にてクラフトを習う
1989年 大丸北峰氏に師事して煎茶道具を習う
1997年 佐賀県唐津市相知町に穴窯築窯
2019年 現在、唐津市相知町佐里にて作陶

谷穹プロフィール
1977年 滋賀県信楽町生まれ
2000年 成安造形大学立体造形クラス卒業
2003年 清右衛門陶房にて修行
2007年 双胴式穴窯を築窯
2012年 単室式穴窯を築窯
2019年 現在、信楽町にて作陶

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# by sora_hikari | 2019-06-28 17:47 | 梶原靖元・谷穹 展