「藤田佳三展 澄心静慮」開催のご案内

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6月6日(土)~13日(土)に開催する「藤田佳三展 澄心静慮(ちょうしんせいりょ)」のご案内です。

初日(6/6)は混雑緩和のため、11時~12時50分まで本展の案内状(配布済み)をお持ちの方のみのご入店とさせていただきます。13時からは予約なしでご入店いただけますが、混雑する場合は入店順序を弊店側で決めさせていただきます。お客様にもご面倒をおかけしますが、何卒ご了承ください。

本展にあわせて制作された香炉は、中国古代の副葬品「明器」を想起させる作品です。獅子を戴き、鳳凰の意匠が施されたその姿には、死後の世界においてもなお豊かさを願った古代の祈りが重ねられています。土に還ることなく残り続ける焼き物が、祈りのかたちとして機能してきた歴史は、藤田佳三さんの制作にも静かな影響を与えているのでしょう。

1963年京都市に生まれた藤田さんは、長年にわたり染付や赤絵のうつわで高い評価を得てきました。一般に磁土による硬質な表現が主流とされるこれらの技法に対し、陶土に白化粧を施し、その上に絵付けを行うことで、どこか柔らかく温もりを帯びた器へと昇華させています。安南手を思わせる滲みのある染付や、宋赤絵に通じる余白を活かした構成には、軽やかで洒脱な美意識が宿り、日々の食卓に自然と寄り添います。

その仕事には、中国から東南アジア、さらに中東へと連なる文化の流れが見て取れます。紅安南や飴釉に至るまで、作風は南方的でおおらか。異国の民族的意匠を京都の風土と融和させることで、独自の器の世界を築いてきました。そこに通底するのは、豊穣や繁栄を願う人々の普遍的な想いです。四十年以上にわたる作陶の歩みの中で、藤田さんはオブジェからうつわへの転向、問屋での経験など、時代の変化とともに多様な現場を経てきました。その積み重ねが、確かな技術と柔軟な感性を支えています。

本展のテーマ「澄心静慮(ちょうしんせいりょ)」とは、心を澄ませ、静かに思いをめぐらせること。その言葉が示すように、藤田さんの器と向き合うひとときが、心を澄ませ、自らの内へと静かに意識を向ける契機となれば幸いです。どうぞこの機会に、藤田佳三さんの豊かな表現の世界をご高覧ください。店主

藤田佳三展 澄心静慮(ちょうしんせいりょ)
2026年6月6日(土)~13日(土)
作家在廊日6月6日 
営業時間 11時~18時 最終日は17時迄
ギャラリーうつわノート
埼玉県川越市小仙波町1-7-6

経歴
1963年 京都市生まれ
1982年 京都市銅駝美術工芸高校卒業
1986年 京都芸術短期大学陶芸専攻科修了
1987年 小川文斎氏に師事 
1988年 走泥社・林秀行氏に師事
1990年 兵庫県丹波立杭にて修行
1993年 京都府亀岡市にて独立開窯
2026年 現在、同地にて制作

写真作品
灰釉鉄彩獅子香炉 幅18/奥行18/高さ29cm

染付花入 胴径11/高さ22.5cm
紅安南茶盌 径12.5/高さ8cm
赤絵茶盌 径12.5/高さ8cm
灰釉鉄彩八角皿 径29/高さ5cm
染付輪花鉢 径25.5/高さ7.5cm

「藤田佳三展 澄心静慮」開催のご案内_d0087761_12441628.jpg「藤田佳三展 澄心静慮」開催のご案内_d0087761_12441840.jpg


# by sora_hikari | 2026-05-31 08:00 | 藤田佳三展2026

「太田修嗣展 坐辺の礼具」ありがとうございました

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太田修嗣展 坐辺の礼具」は本日終了しました。ご来店くださいました皆様、ネットを通じてお選びくださいました皆様に厚く御礼申し上げます。尚、オンラインストアは本日(5/30)20時までご利用いただけますので、お見逃しの方はどうぞご覧ください。

すっと伸びた腰。漆を塗るときは、この姿勢がもっとも腕の可動域を広く取り、無理なく仕事ができるのだそうです。年齢のことを申し上げるのは失礼かもしれませんが、そのお姿は実に矍鑠(かくしゃく)としていて、お作りになる漆器に通じる精神性を感じます。ぶれない軸を持ち、日々の仕事を積み重ねてきた人だけが纏う気配があります。喜寿(77歳)を迎えられたとはいえ、世の中を見渡せばなお第一線に立つ方も少なくありません。太田さんもまた、まだまだ道半ばなのでしょう。生涯現役。その言葉が自然に思い浮かびます。また次回、ご一緒できる機会を楽しみにしております。

お手元にお届けした太田さんの漆器が、皆様のお暮らしとともに歳月を重ね、日々の時間をより豊かなものにしてくれますことを願っております。誠にありがとうございました。

【太田修嗣展オンラインストア】
販売期間:5月30日(土)20時まで

太田修嗣展 坐辺の礼具
2026年5月23日(土)~30日(土)
ギャラリーうつわノート 埼玉県川越市小仙波町1-7-6

経歴
1949年 愛媛県松山市生まれ
1981年 鎌倉・呂修庵にて塗師の仕事を始める
1983年 村井養作氏に師事 蒔絵や変り塗りを学ぶ
1987年 神奈川県厚木市にて独立
    ろくろ・指物・刳物一貫制作の工房を開く
1994年 愛媛県広田村(現・砥部町)に移転
2026年 現在 同地にて制作


「太田修嗣展 坐辺の礼具」ありがとうございました_d0087761_16423751.jpg「太田修嗣展 坐辺の礼具」ありがとうございました_d0087761_16424073.jpg


# by sora_hikari | 2026-05-30 17:00 | 太田修嗣展2026

「太田修嗣展 坐辺の礼具」7日目-3

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今展の標題である「坐辺の礼具」の象徴となる太田さんの「洗朱根来ヘギ蓋三段重箱」をご紹介します。

重箱は、もともと「晴れ」の器でした。節句や正月、祭礼や婚礼など、人が集い、時間を重ねる場に現れる器です。単なる保存容器ではなく「重ねる」という形そのものが、福や縁、季節、時間の層を象徴していました。しかし現代では、かつてのように家族総出で御節を作り、大人数で囲む暮らしは少なくなっています。

では、重箱は役目を終えたのか。いや今だからこそ別の意味を帯び始めているように思います。この太田さんには過剰な祝祭性がありません。黒漆蒔絵の豪奢さではなく、洗朱の静かな赤。さらに蓋には、ヘギ目のような荒々しい削り跡が残されている。端正でありながら、どこか祈りの道具のような気配があります。これはハレの日だけの道具ではなく、日々の身辺に置かれる“小さな儀礼”の器なのだと思います。

例えば、少量の季節の料理を詰める、 茶事の菓子器として用いる、 客人のために果物や酒肴を重ねる。それは毎日積み重ねる時間の層でもあります。太田さんの重箱には神饌具や厨子に通じるような垂直性があります。三段に積まれた姿は、単なる収納ではなく「捧げる」という行為そのものを立ち上がらせる。だから現代における重箱とは、料理の容器というより「暮らしに礼を取り戻すための器」なのではないでしょうか。現代の重箱は「大量に詰める器」ではなく、暮らしの中に“重なり”を取り戻す器なのかもしれません。

洗朱根来ヘギ蓋3段重箱(沢栗・朴) 
全体外寸:幅25/奥行17/高さ20cm
一段外寸:幅24/奥行16/高さ6.5cm
一段内寸:幅23/奥行15/高さ5.5cm
※料理を盛り付けた写真はAIにて作成しました(本品には盛り付けておりません)

会期は明日5月30日17時までとなります。実際に手に取ってご覧いただける最終日です。まだお選びいただける漆器は十分ございますので、どうぞこの機会にお越しください。

【太田修嗣展オンラインストア】
販売期間:5月30日(土)20時まで

太田修嗣展 坐辺の礼具
2026年5月23日(土)~30日(土)
営業時間 11時~18時 最終日は17時迄
ギャラリーうつわノート 埼玉県川越市小仙波町1-7-6

経歴
1949年 愛媛県松山市生まれ
1981年 鎌倉・呂修庵にて塗師の仕事を始める
1983年 村井養作氏に師事 蒔絵や変り塗りを学ぶ
1987年 神奈川県厚木市にて独立
    ろくろ・指物・刳物一貫制作の工房を開く
1994年 愛媛県広田村(現・砥部町)に移転
2026年 現在 同地にて制作

解説
正月に神社へ詣で、節句に供え物をし、折々の節気に季節を感じる。特別な行事に限らず、日々の食事の前に手を合わせ感謝を述べることもまた、私たちの暮らしに根付いた営みです。それらは決して特別なことではなく、誰しもの「坐辺」にある静かな儀礼と言えるでしょう。食を支える器は、生命を繋ぐ道具でもあります。そこには神へ捧げる祈りと日々を生きる実感とが重なります。太田修嗣さんの漆器には、そうした行為に寄り添う静けさと、内に秘めた力強さが宿っています。

太田さんは木に添い、素材に耳を澄ませながら制作を続けてきました。我を一歩外に置き、木の声に従う。その姿勢が、ものづくりにおける謙譲の心を支えています。産地に見られるような分業制ではなく、木の仕入れからろくろ、指物、刳り物、下塗りから上塗りまでを一貫して手がける仕事は、一人の手の内に工程が結ばれることで、分業では得難い一体感を生み出しています。鑿の痕をあえて残した椀や盆は、漆に覆われながらもなお、木の息吹を伝えています。

表現性の強い江戸期の漆器よりも、室町以前の寺院に見られる古格ある漆器に惹かれるという太田さん。その簡素で謙虚な美しさは、脇役に徹しようとする姿勢と通底しています。工芸は作り手と使い手だけで完結するものではなく、そのあいだにある自然の恵みと祈りによって支えられているものです。太田さんの漆器には、木霊の声が微かに響いているかのようです。日々の坐辺に静かに寄り添う「礼具」としての在り方を、ぜひ会場にてご覧ください。店主


「太田修嗣展 坐辺の礼具」7日目-3_d0087761_16423751.jpg「太田修嗣展 坐辺の礼具」7日目-3_d0087761_16424073.jpg


# by sora_hikari | 2026-05-29 21:22 | 太田修嗣展2026

「太田修嗣展 坐辺の礼具」7日目-2

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拭き漆と洗朱の高台盤。堂々とした姿です。お膳のような台盆でありながら、どこか神饌を捧げる三方にも通じる静かな気配があります。器を載せることで場に高さと緊張感が生まれ、茶席では茶台として、また季節の花や酒器を飾る台としても美しくお使いいただけます。

拭き漆の深い黒は木目を沈めるのではなく、むしろ内側から浮かび上がらせるようで、洗朱はやわらかな朱の気配を湛えた根来塗りで仕上げています。日々の設えの中に、祈りにも似た静けさを添えてくれる道具です。

4)タモ高台盤(タモ) 径43/高さ11cm
56)洗朱根来高台盤(楠) 径40/高さ9cm

【太田修嗣展オンラインストア】
販売期間:5月30日(土)20時まで

太田修嗣展 坐辺の礼具
2026年5月23日(土)~30日(土)
営業時間 11時~18時 最終日は17時迄
ギャラリーうつわノート 埼玉県川越市小仙波町1-7-6

経歴
1949年 愛媛県松山市生まれ
1981年 鎌倉・呂修庵にて塗師の仕事を始める
1983年 村井養作氏に師事 蒔絵や変り塗りを学ぶ
1987年 神奈川県厚木市にて独立
    ろくろ・指物・刳物一貫制作の工房を開く
1994年 愛媛県広田村(現・砥部町)に移転
2026年 現在 同地にて制作

解説
正月に神社へ詣で、節句に供え物をし、折々の節気に季節を感じる。特別な行事に限らず、日々の食事の前に手を合わせ感謝を述べることもまた、私たちの暮らしに根付いた営みです。それらは決して特別なことではなく、誰しもの「坐辺」にある静かな儀礼と言えるでしょう。食を支える器は、生命を繋ぐ道具でもあります。そこには神へ捧げる祈りと日々を生きる実感とが重なります。太田修嗣さんの漆器には、そうした行為に寄り添う静けさと、内に秘めた力強さが宿っています。

太田さんは木に添い、素材に耳を澄ませながら制作を続けてきました。我を一歩外に置き、木の声に従う。その姿勢が、ものづくりにおける謙譲の心を支えています。産地に見られるような分業制ではなく、木の仕入れからろくろ、指物、刳り物、下塗りから上塗りまでを一貫して手がける仕事は、一人の手の内に工程が結ばれることで、分業では得難い一体感を生み出しています。鑿の痕をあえて残した椀や盆は、漆に覆われながらもなお、木の息吹を伝えています。

表現性の強い江戸期の漆器よりも、室町以前の寺院に見られる古格ある漆器に惹かれるという太田さん。その簡素で謙虚な美しさは、脇役に徹しようとする姿勢と通底しています。工芸は作り手と使い手だけで完結するものではなく、そのあいだにある自然の恵みと祈りによって支えられているものです。太田さんの漆器には、木霊の声が微かに響いているかのようです。日々の坐辺に静かに寄り添う「礼具」としての在り方を、ぜひ会場にてご覧ください。店主


「太田修嗣展 坐辺の礼具」7日目-2_d0087761_16423751.jpg「太田修嗣展 坐辺の礼具」7日目-2_d0087761_16424073.jpg


# by sora_hikari | 2026-05-29 18:00 | 太田修嗣展2026

「太田修嗣展 坐辺の礼具」7日目

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朴の木を刳った根来塗の皿と浅鉢。6寸~7寸程の取り回しのよいサイズです。料理の盛付、フルーツ皿にも。油ものの大丈夫です。オンラインストアでご紹介しております。

【太田修嗣展オンラインストア】
販売期間:5月30日(土)20時まで

太田修嗣展 坐辺の礼具
2026年5月23日(土)~30日(土)
営業時間 11時~18時 最終日は17時迄
ギャラリーうつわノート 埼玉県川越市小仙波町1-7-6

経歴
1949年 愛媛県松山市生まれ
1981年 鎌倉・呂修庵にて塗師の仕事を始める
1983年 村井養作氏に師事 蒔絵や変り塗りを学ぶ
1987年 神奈川県厚木市にて独立
    ろくろ・指物・刳物一貫制作の工房を開く
1994年 愛媛県広田村(現・砥部町)に移転
2026年 現在 同地にて制作

解説
正月に神社へ詣で、節句に供え物をし、折々の節気に季節を感じる。特別な行事に限らず、日々の食事の前に手を合わせ感謝を述べることもまた、私たちの暮らしに根付いた営みです。それらは決して特別なことではなく、誰しもの「坐辺」にある静かな儀礼と言えるでしょう。食を支える器は、生命を繋ぐ道具でもあります。そこには神へ捧げる祈りと日々を生きる実感とが重なります。太田修嗣さんの漆器には、そうした行為に寄り添う静けさと、内に秘めた力強さが宿っています。

太田さんは木に添い、素材に耳を澄ませながら制作を続けてきました。我を一歩外に置き、木の声に従う。その姿勢が、ものづくりにおける謙譲の心を支えています。産地に見られるような分業制ではなく、木の仕入れからろくろ、指物、刳り物、下塗りから上塗りまでを一貫して手がける仕事は、一人の手の内に工程が結ばれることで、分業では得難い一体感を生み出しています。鑿の痕をあえて残した椀や盆は、漆に覆われながらもなお、木の息吹を伝えています。

表現性の強い江戸期の漆器よりも、室町以前の寺院に見られる古格ある漆器に惹かれるという太田さん。その簡素で謙虚な美しさは、脇役に徹しようとする姿勢と通底しています。工芸は作り手と使い手だけで完結するものではなく、そのあいだにある自然の恵みと祈りによって支えられているものです。太田さんの漆器には、木霊の声が微かに響いているかのようです。日々の坐辺に静かに寄り添う「礼具」としての在り方を、ぜひ会場にてご覧ください。店主


「太田修嗣展 坐辺の礼具」7日目_d0087761_16423751.jpg「太田修嗣展 坐辺の礼具」7日目_d0087761_16424073.jpg


# by sora_hikari | 2026-05-29 11:17 | 太田修嗣展2026