「牧由加里 展 塊と塊」開催のご案内

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9月7日(土)から14日(土)まで開催する「牧由加里 展 塊と塊」のご案内です。

ブランクーシの言葉。「単純化は美術の目的ではないが、しかし物事の本当の意味に近づこうとすれば、どうしても単純に行き着いてしまう。」対象をそのまま写すのではなく、その本質に迫ろうとすると単純化が図られる。すでに神によって完成された宇宙や自然の真理は、数学者が解明するごとく単純な数式によって表されるのと同じでしょう。抽象彫刻とはそういう本質の真理を見出そうとする行為の結果なのかもしれません。

牧さんの作品は工芸と彫刻の間にあります。器の内側から形を整えていく旋盤と違って、手による微妙な線に拘りながら無垢の木を鑿(のみ)や鉋(かんな)で刳っていきます。刳りものは木の塊から自分のイメージに向かって外側から削り出していく作業です。分かり易く言えば鑿(のみ)による木彫です。

制作過程は恣意的な意識の塊ですが、しかし結果は無作為な造形物のごとく振舞おうとします。この矛盾を繋ぐものは何なのか。ここを紐解くのが牧さんの作品への理解の第一歩になります。自然物を扱いながら、形状も質感表現も抽象の枠にあります。しかしそれらを見る自己と物体との契約によって抽象化され成立しています。割り切れる公理に基づくユークリッド幾何学よりも、非ユークリッド幾何学であるトポロジー(位相幾何学)のごとく空間、次元、変換といった幅広い概念と共通しています。

2020年の初個展に続く二回目となる牧由加里さんの作品展となります。前回は回転体である壷や器の形状に添った「ゆらぎ」や「うねり」を捉えた抽象作品でしたが、今回は2つの塊と塊を合わせた「ずれ」を形象化した作品をご覧頂けます。solid and mass(個体と質量)、塊と塊の結合。石彫を彷彿させる重量感のある抽象彫刻の様相ですが、無垢の木を刳り出し、鑿痕(のみあと)を残し、漆や箔で仕上げていることから工芸的な要素を基本にした作品であることが分かります。

まだ暑さの残る季節の開催となりますが、牧由加里さんの新作をどうぞ実際に手にとってご覧ください。皆様のご来場をお待ちしております。店主

牧由加里 展  塊と塊
Yukari Maki Wood Works solid and mass
2024年9月7日(土)~14日(土) 会期中無休
作家在廊日 9月7日
11:00~18:00 最終日は17時迄
ギャラリーうつわノート
埼玉県川越市小仙波町1-7-6

プロフィール
1981年 岡山県生まれ
学生時代はソフトテニスに打ち込む
2002年 建築関係の仕事に従事
2013年 仕事をしながら休日に木工をはじめる
2014年 岡山県北部高等技術訓練校木工科に入校
2015年 木工家森口信一氏(京都)に師事
2017年 岡山県にて独立
2020年 初個展。山口県へ拠点を移す
2024年 現在同地にて制作

写真作品
双(sou) 材料:楠木 仕上:漆/箔
W210/D200/H166mm

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# by sora_hikari | 2024-08-26 17:26 | 牧由加里展2024

7/28-9/6 夏季休業

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7月28日から9月6日まで夏季休業とさせて頂きます。

ギャラリーうつわノート
埼玉県川越市小仙波町1-7-6
utsuwanote@gmail.com

# by sora_hikari | 2024-07-29 11:30 | おしらせ

「瀬川辰馬 展 負の刻印」7日目-3

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瀬川辰馬 展 負の刻印」は本日終了しました。会期中ご来店下さいました方、ネットを通じてお選び下さいました方、皆様に厚く御礼申し上げます。

猛暑の続く川越で会期も終盤を迎えると、陽炎のごとくゆらゆらとオープン時の喧騒も朧げになり、決まって訪れる夕刻の雷鳴と風雨に意識は呼び起こされ、暗雲の中で浮かびあがる器を眺めていると、これは時の流れに浸るごとく、儚く消え去る記憶を、ここに留めようとする存在のように思えてきます。時間にさらされ、錆つき、汚れ、朽ち果てゆく必然に気づくとき、人はものの哀れに自らを重ね、感傷とともに美しさを感じるのです。瀬川さんの器に埋め込まれた、時間、記憶、哀愁は、相対的に「食」を通した命への賛歌でもあるのでしょう。

まだ暑い夏は続きます。お持ち帰り頂きました器で、異人たちとの幻想の時をお過ごしください。

【瀬川辰馬 展 負の刻印】
2024年7月20日(土)~27日(土)
ギャラリーうつわノート
埼玉県川越市小仙波町1-7-6

【略歴】
1988年 神奈川県生まれ、千葉県育ち
2011年 慶応義塾大学 環境情報学部 修了
2014年 多治見市陶磁器意匠研究所 修了
2016年 東京都足立区にて独立
2017年 千葉県長柄町に築窯
2024年 東京都足立区にて制作


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# by sora_hikari | 2024-07-27 18:00 | 瀬川辰馬2024

「瀬川辰馬 展 負の刻印」7日目-3

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瀬川辰馬 展 負の刻印」の7日目-3。

瀬川辰馬展の会期は明日7/27(土)17時までとなります。最終日は搬出も兼ねて瀬川さんが13時より在廊して下さることになりました。お選び頂ける器はまだ十分ございますのでどうぞこの機会にご来店ください。尚、オンライン販売も7/27 17時にお店の閉店と当時に終了させて頂きます。何卒ご了承ください。

写真は、黒土象嵌のうつわです。シボ状(シワ)の土に化粧土を刷り込んで(象嵌)、この表情を出しています。手で触ると焼〆(無釉)のような手触りですが、薄く釉薬が掛かっています。見た目は大理石(グリジオカルニコ)の割肌のようで、土というよりも硬質な石を感じさせます。金属彩ではないため、電子レンジや盛り付ける料理に制約がなく、気兼ねなく使える点もいいでしょう。

【瀬川辰馬展オンラインストア】
販売期間:7月27日(土)17時まで
https://utsuwanoteshop.stores.jp/

【瀬川辰馬 展 負の刻印】
2024年7月20日(土)~27日(土)
11時~18時 最終日は17時迄
ギャラリーうつわノート
埼玉県川越市小仙波町1-7-6

【略歴】
1988年 神奈川県生まれ、千葉県育ち
2011年 慶応義塾大学 環境情報学部 修了
2014年 多治見市陶磁器意匠研究所 修了
2016年 東京都足立区にて独立
2017年 千葉県長柄町に築窯
2024年 東京都足立区にて制作


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# by sora_hikari | 2024-07-26 18:00 | 瀬川辰馬2024

「瀬川辰馬 展 負の刻印」7日目-2

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瀬川辰馬 展 負の刻印」の7日目-2。

明日7/27(土)の最終日に13時より瀬川辰馬さんが再度在廊します。お選び頂ける器はまだ十分ございますのでどうぞこの機会にご来店ください。

硫化銀彩のうつわ各種。こちらはハードクラック(ヒビ)ではなく、下地がしぼ状(シワ)の土の上に銀彩を施して硫化させています。銀彩と書きますから薄く金属に覆われていることに気付きますが、何の説明もなく手にすると、光沢は少なくマットな釉調に見え、一見するとなめした革のような落ち着いた印象です。控えめな銀彩とでも言えばいいでしょうか、一歩引き下がったこの加減が、バイプレイヤーである食器の役割を踏まえており、派手さで勝負しない老成した点が高評価です。

瀬川さんの器は、銀彩、ステンレス彩、アルミニウム彩など金属を焼き付けたものが多いですが、いずれも下地や錆び具合の工夫を重ねたオリジナリティのあるテクスチャーで完成度の高さが魅力的です。

【瀬川辰馬展オンラインストア】
販売期間:7月27日(土)17時まで
https://utsuwanoteshop.stores.jp/

【瀬川辰馬 展 負の刻印】
2024年7月20日(土)~27日(土)
11時~18時 最終日は17時迄
ギャラリーうつわノート
埼玉県川越市小仙波町1-7-6

【略歴】
1988年 神奈川県生まれ、千葉県育ち
2011年 慶応義塾大学 環境情報学部 修了
2014年 多治見市陶磁器意匠研究所 修了
2016年 東京都足立区にて独立
2017年 千葉県長柄町に築窯
2024年 東京都足立区にて制作


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# by sora_hikari | 2024-07-26 15:09 | 瀬川辰馬2024