未之(wèi zhī/ウェイ ヂー)さんの茶則・茶通・蓋置きです。「未之」は屋号で「未完成」や「~の前に」という意味があります。これはお作りになるものに対してなのか、あるいはご自身の姿勢についてなのか、いずれにしても「作為」を抑えて、自然素材に準じて「無作為」であろうとする意識の表れのように受け止められます。
ご覧の通り「竹」を使った茶則を中心にしていますが、次のような理念でお作りになっています。
「竹は茶則を作るうえで最も手軽な素材です。一節を切り取り、二つに割るだけで茶則ができます。しかし、簡単すぎるがゆえに独創性を出すのが難しいのも事実です。私も偶然、古い物から着想を得て、竹を適切な厚さに削ることで、ようやく「見応えのあるもの」を作れるようになりました。制作に使う道具は、鉈、鋸、折りたたみナイフの3種類が主で、それ以上は増やさないようにしています。竹細工の技術そのものに没頭しすぎないためです。仕上げとして、完成した竹の素材に漆を塗ることもあります。自分の個性を加えるためです。塗る漆は、ほとんどの場合単色で均一に仕上げることを心がけ、派手な装飾は避けています。私が作りたいのは、竹細工や漆器ではなく、あくまで「茶則」そのものです。」
未之
1988年、雲南省に生まれる。
2010年、北京林業大学芸術デザイン学科を卒業後、景観デザインの仕事に就き、茶や茶器に関心を持つようになる。
2015年、仕事を辞めて北京から杭州に移住。金継ぎの技術を学びながら古陶磁を収集し、茶則の制作を始める。
2022年、初めて茶則の個展を開催。
今展では未之さんの「茶則・茶通・蓋置き」を組みにして6種類をご覧頂きます。
【未之・莎莎・小俣冠丞 小展】
2025年4月26日(土)27日(日)
11時~17時
店頭展示は2日間のみ
ギャラリーうつわノート
埼玉県川越市小仙波町1-7-6
未之:茶則/茶通/蓋置
游 莎莎:茶敷布
小俣冠丞:茶壺