カテゴリ:山田隆太郎展2019( 15 )

「山田隆太郎展 令和の薪窯」ありがとうございました

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山田隆太郎展 令和の薪窯」は本日終了しました。会期中ご来店頂きました皆様に厚く御礼申し上げます。

桃居の広瀬一郎さんが以前よりお話されている「工芸30年周期説」があります。工芸の流れを大きく30年ごとに区切って、その特徴を炙り出した視点です。1930~1960年(昭和初期~昭和中期)まで桃山陶再興を目指した昭和の巨匠が活躍した時代。1960年~1990年(昭和中期~昭和後期)陶芸の枠を超えた前衛陶の時代。1990年~2020年(平成)暮らしに根差した生活陶の時代。おおよそ30年ごとに工芸を取り巻く環境は変化しているという広瀬さんの慧眼です。実際には時代は連続しているので、明瞭に区分することは出来ませんが、俯瞰することで見えてくる時代感は確かにあります。

2000年頃から顕著になった暮らしに寄り添ううつわ。いわゆる生活工芸は、経済成長から成熟型社会に移行する過程で生まれた、より身近なリアリティを大切にする流れであったと思います。自己表現よりも抑制的で謙虚な美の在り方。経済的にも精神的にも大きな拠り所を失った社会で、個々の足元を見つ直そうとする循環型社会の価値に沿った新たな工芸観だったように思います。

ここ数年、うつわの変化を感じています。シンプルであった器が、より装飾的になり、あるいは情緒的な内面を表出させる方向が散見されます。時代は常に相対的(人と同じものを作りたくない)に流れ、また経済的合理性(売れるものに類したものが広がる)によってパイを生み出します。さらにSNSの広がりや中国マーケットの参入など外的要因も少なからずあるでしょう。信念や思想から捉えるよりも、それは明らかです。しかしながら、そこには来るべき時代が映る鏡のような一面もあります。何ゆえにそういうものが今生まれるのか。

山田隆太郎さんのうつわは、平成のうつわの流れの延長線上にありながら、新たな焼き物観を感じます。暮らしの器が古典や桃山の呪縛から手を切ったうえで成立していたのに対して、新たに昭和的焼き物を再考するような動向です。山田さんに限らず、原土から取り組み、焼き物をより根源的な視点で捉え直す若い作家が増えているように思います。しかし対象とするマーケットは旧来型の保守領域ではなく、もっと生活に近いフィールドです。今回敢えて「令和」を副題に添えたのは、時代の胎動を聞いてみたい思いからでした。まだ明確な定義はありませんが、このうねりを暫く見つめてみたいと思っています。

今回お持ち帰り頂きました山田さんの器が、皆様のお暮しと共に心を豊かにすることを願っております。どうもありがとうございました。


これからの営業案内

うつわノート(埼玉県川越市小仙波町1-7-6)
6/03(月)~6/07(金) 搬出・設営休
6/08(土)~6/16(日) 林志保展
6/17(月)~6/21(金) 搬出・設営休
6/22(土)~6/30(日) 梶原靖元・谷穹展

営業カレンダー

by sora_hikari | 2019-06-02 20:37 | 山田隆太郎展2019

「山田隆太郎展 令和の薪窯」8日目

山田隆太郎展 令和の薪窯」の8日目。会期は明日6月2日の17時で終了させて頂きます。展示品は十分ございますので、どうぞお出掛けください。

写真は神奈川県相模原市にある山田隆太郎さんの工房の様子です。古民家の敷地の中に、登り窯や新設された穴窯を見ることができます。東京から車で1時間~2時間程でありながら、自然に囲まれた静かな里山です。相模原市に編入されて名前が変わりましたが、元は藤野町と呼ばれた芸術家が多く暮らす山村です。かつての藤野町は、故・青木亮さんをはじめ、長谷川奈津さん、井山三希子さんなど、多くの陶芸家が制作の拠点にし、当時から暮らしの器の発信源でした(今でもそうですが)。山田さんは2014年からこちらに居を移し、多治見時代とはまた違った器の取り組みをされています。作者の意識によって器の在り方は変わりますが、一方で「場」の力が自ずと導く方向もあるように思います。そういう現場を目に出来ると、こちらの意識も高揚します。

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山田隆太郎展 令和の薪窯
2019年5月25日(土)-6月2日(日)会期中無休 
ギャラリーうつわノート 埼玉県川越市小仙波町1-7-6

山田隆太郎プロフィール
1984年 埼玉県生まれ
2007年 多摩美術大学環境デザイン学科修了
2007年 造形家 樋口健彦氏に師事
2010年 多治見市陶磁器意匠研究所修了
2010年 多治見市にて独立
2014年 神奈川県相模原市(旧・藤野町)に移転
2019年 現在 同地にて作陶

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by sora_hikari | 2019-06-01 20:45 | 山田隆太郎展2019

「山田隆太郎展 令和の薪窯」7日目

山田隆太郎展 令和の薪窯」の7日目。会期は残り2日となりました。最終日の6月2日は17時で終了させて頂きます。お選び頂ける器は、まだ十分ございますので、どうぞこの週末にお出掛けください。

本日ご紹介するのは釉薬ものの花入。薪窯で焼かれた粉引、鉄釉。それぞれの表情をご覧ください。

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山田隆太郎展 令和の薪窯
2019年5月25日(土)-6月2日(日)会期中無休 
営業時間 11時-18時  
ギャラリーうつわノート 埼玉県川越市小仙波町1-7-6

山田隆太郎プロフィール
1984年 埼玉県生まれ
2007年 多摩美術大学環境デザイン学科修了
2007年 造形家 樋口健彦氏に師事
2010年 多治見市陶磁器意匠研究所修了
2010年 多治見市にて独立
2014年 神奈川県相模原市(旧・藤野町)に移転
2019年 現在 同地にて作陶

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by sora_hikari | 2019-05-31 18:48 | 山田隆太郎展2019

「山田隆太郎展 令和の薪窯」6日目

山田隆太郎展 令和の薪窯」の6日目。

山田さんの焼締の花入。昨年末に新設した穴窯による焼成です。直接炎による強い火力と灰被りが無釉ならではの表情を生み出します。前回(2017)の個展では故・青木亮さんが築かれた登窯や簡易な穴窯で焼いたものが主でしたから、今回ようやく独自の窯で臨んだ自立した作品なのです。山田さんの軸足は生活に根差した器であることに変わりはありませんが、新設した窯は独立以来のマイルストーンであり、従来の立ち位置を一歩進めて、より一品性の強い焼き物に向かっていく覚悟でもあるでしょう。

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山田隆太郎展 令和の薪窯
2019年5月25日(土)-6月2日(日)会期中無休 
営業時間 11時-18時  
ギャラリーうつわノート 埼玉県川越市小仙波町1-7-6

山田隆太郎プロフィール
1984年 埼玉県生まれ
2007年 多摩美術大学環境デザイン学科修了
2007年 造形家 樋口健彦氏に師事
2010年 多治見市陶磁器意匠研究所修了
2010年 多治見市にて独立
2014年 神奈川県相模原市(旧・藤野町)に移転
2019年 現在 同地にて作陶

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by sora_hikari | 2019-05-30 20:59 | 山田隆太郎展2019

「山田隆太郎展 令和の薪窯」5日目

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山田隆太郎展 令和の薪窯」の5日目。

山田隆太郎さんの皿や鉢。いわゆる土もので温かみのある風合いです。日常的な料理を気取らず楽しめる自然体な受け皿です。

器は料理の着物であると言ったのは彼の魯山人。それを装う大切なものであり、料理は器があってこそ成立するという意。器で料理の味も変わる、とも良く言われることです。しかし果たしてそうでしょうか。わずかな金額で機能性食器が買える今、その何十倍もする作家ものの器に意味があるのか?理系的脳で考えれば、物理的には変わるはずはない。となれば、それは心理的作用であると。

社会的知覚を探るニュールック心理学。1947年のジェローム・ブルーナーとセシル・グッドマンによる共同研究。貧困層と富裕層の子供にコイン(1セントから1ドルまでの6種類)のサイズを示させたところ、貧困層の子供の方が同じ価値のコインを大きく表すという結果が知られています。その人の主体的条件(興味,欲求,期待,情緒)によって知覚は変化する。つまり物理的に同じものであっても、人によって同じには見えていないのです。

器で料理の味が変わる。それは受け手側の条件によっては確かに起こり得る事実なのです。コンビニのプラスチック食器トレイのお惣菜であっても、気に入った器に盛り直せば、それなりに楽しめる。というのは強引ですが、日常の食事を美味しく楽しむために、器も大切、そしてその人の気持ちが大切なのです。

さて、主題は山田さんの器でした。毎日の普通の料理がいいですね。この自然色と質感は、料理を引き立て美味しく感じるはずです。あなた次第ではありますが。

山田隆太郎展 令和の薪窯
2019年5月25日(土)-6月2日(日)会期中無休 
営業時間 11時-18時  
ギャラリーうつわノート 埼玉県川越市小仙波町1-7-6

山田隆太郎プロフィール
1984年 埼玉県生まれ
2007年 多摩美術大学環境デザイン学科修了
2007年 造形家 樋口健彦氏に師事
2010年 多治見市陶磁器意匠研究所修了
2010年 多治見市にて独立
2014年 神奈川県相模原市(旧・藤野町)に移転
2019年 現在 同地にて作陶

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by sora_hikari | 2019-05-29 21:04 | 山田隆太郎展2019

「山田隆太郎展 令和の薪窯」4日目

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山田隆太郎展 令和の薪窯」の4日目。

粉引の碗と刷毛目鉢。山田さんは、このような食器を多く作りますが、その技法の原点は李朝初期の粉青沙器に辿り着きます。しかしながら、山田さんをはじめ、暮らしの器を作る多くの作家は、古典を再現することに注力することよりも、その風味を生かして現代の食卓に落とし込むことを意識しているように思います。この萌芽は暮らしの器を作る作家が現れ始めた90年代頃からではなかったでしょうか。

さて、古典様式とは距離を置いた粉引や刷毛目が定着した今、今後どこに向かうのか関心を持っています。慈愛に満ちた暮らしの器は、既成の土俵の上で取り組める安定感に支えられています。それは古典写しよりも、平成写しと言った方が的確かもしれません。

しかし当然ながら、そこには個々の意識の違い、技術の差が顕れます。今、その評価は顧客の受け入れ規模が基準になるものの、新たな原点探し(古典に限らず)や評価尺度が必要かもしれません。それは懐古主義とは異なり、何ゆえにそうであるのかという立脚点の再認識です。そういう点で旧来的な見解も改めて意味があるように思います。

山田隆太郎展 令和の薪窯
2019年5月25日(土)-6月2日(日)会期中無休 
営業時間 11時-18時  
ギャラリーうつわノート 埼玉県川越市小仙波町1-7-6

山田隆太郎プロフィール
1984年 埼玉県生まれ
2007年 多摩美術大学環境デザイン学科修了
2007年 造形家 樋口健彦氏に師事
2010年 多治見市陶磁器意匠研究所修了
2010年 多治見市にて独立
2014年 神奈川県相模原市(旧・藤野町)に移転
2019年 現在 同地にて作陶

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by sora_hikari | 2019-05-28 20:39 | 山田隆太郎展2019

「山田隆太郎展 令和の薪窯」3日目

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山田隆太郎展 令和の薪窯」の3日目。

山田隆太郎さんの粉引尺皿。一尺は約30cmですが、この皿は33cmありますので、正確には一尺一寸。ゆったりとした自然色の大盛り皿です。昨今の食卓スタイルからは、需要は少なくなりましたが、作家さんには作って欲しいサイズ。大きなお皿があると便利ですし、作る側も大きな気持ちで造形を捉えられるようになると思います。

山田隆太郎展 令和の薪窯
2019年5月25日(土)-6月2日(日)会期中無休 
営業時間 11時-18時  
ギャラリーうつわノート 埼玉県川越市小仙波町1-7-6

山田隆太郎プロフィール
1984年 埼玉県生まれ
2007年 多摩美術大学環境デザイン学科修了
2007年 造形家 樋口健彦氏に師事
2010年 多治見市陶磁器意匠研究所修了
2010年 多治見市にて独立
2014年 神奈川県相模原市(旧・藤野町)に移転
2019年 現在 同地にて作陶

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by sora_hikari | 2019-05-27 18:42 | 山田隆太郎展2019

「山田隆太郎展 令和の薪窯」2日目

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山田隆太郎展 令和の薪窯」の2日目。本日も暑い中、たくさんの皆様にご来店頂き誠にありがとうございました。どなたも時間をかけてじっくり選ぶ姿が印象的でした。頭に思い浮かぶイメージと器の実体が結び付く瞬間は見ていてわくわくします。それぞれのご自宅で器の新たな旅が始まるのは、製作者冥利に尽きるでしょう。明日から平日。まだたくさんの良い器がありますので、どうぞご来店下さい。

山田隆太郎展 令和の薪窯
2019年5月25日(土)-6月2日(日)会期中無休 
営業時間 11時-18時  
ギャラリーうつわノート 埼玉県川越市小仙波町1-7-6

山田隆太郎プロフィール
1984年 埼玉県生まれ
2007年 多摩美術大学環境デザイン学科修了
2007年 造形家 樋口健彦氏に師事
2010年 多治見市陶磁器意匠研究所修了
2010年 多治見市にて独立
2014年 神奈川県相模原市(旧・藤野町)に移転
2019年 現在 同地にて作陶

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by sora_hikari | 2019-05-26 20:18 | 山田隆太郎展2019

「山田隆太郎展 令和の薪窯」始まりました

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山田隆太郎展 令和の薪窯」は本日よりスタートしました。暑い中お越し下さいました皆様に御礼申し上げます。会期は6月2日(日曜)まで休まず営業致します。明日5月26日も山田さんが在廊されます。

山田隆太郎展 令和の薪窯
2019年5月25日(土)-6月2日(日)会期中無休 
営業時間 11時-18時  
作家在廊日 5月25日、26日
ギャラリーうつわノート 埼玉県川越市小仙波町1-7-6

山田隆太郎プロフィール
1984年 埼玉県生まれ
2007年 多摩美術大学環境デザイン学科修了
2007年 造形家 樋口健彦氏に師事
2010年 多治見市陶磁器意匠研究所修了
2010年 多治見市にて独立
2014年 神奈川県相模原市(旧・藤野町)に移転
2019年 現在 同地にて作陶

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by sora_hikari | 2019-05-25 18:34 | 山田隆太郎展2019

「山田隆太郎展 令和の薪窯」5/25(土曜)より

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5月25日(土)11時から始まる「山田隆太郎展 令和の薪窯」の準備が整いました。屋外型団体催事とは異なり、演出された舞台で一人の作家と対峙する時間をお持ち頂けます。初日、二日目は山田さんが在廊致します。暑くなりそうですが皆様のご来店をお待ちしております。

山田隆太郎展 令和の薪窯
2019年5月25日(土)-6月2日(日)会期中無休 
営業時間 11時-18時  
作家在廊日 5月25日、26日
ギャラリーうつわノート 埼玉県川越市小仙波町1-7-6

山田隆太郎プロフィール
1984年 埼玉県生まれ
2007年 多摩美術大学環境デザイン学科修了
2007年 造形家 樋口健彦氏に師事
2010年 多治見市陶磁器意匠研究所修了
2010年 多治見市にて独立
2014年 神奈川県相模原市(旧・藤野町)に移転
2019年 現在 同地にて作陶

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by sora_hikari | 2019-05-24 21:46 | 山田隆太郎展2019