2009年 05月 23日
田宮亜紀さんの個展 @ SHIZEN














千駄ヶ谷のSHIZENで開催されている田宮亜紀さんの個展へ行ってきました。田宮さんは、静岡県で焼き締めの器を作られています。毎年東京で、春にこのSHIZEN(もしくは姉妹店のうつわ楓)で、秋に代官山のギャラリー無垢里で個展を開催されています。こうして季節ごとの果実のように採れたたての田宮さんの器を見ることが出来る機会です。展示されているのは、いずれも焼き締めの器ですが、制作過程で分けると、薪窯による器とガス窯による器に分類されます。薪窯のものは、1週間に及ぶ長い焼成を経て窯から出された壺、酒器、片口、大皿、大鉢などが展示されています。一方のガス窯による器は、小皿、中皿、鉢、湯呑など普段の食卓で活躍しそうな食器が主に展示されています。どちらも釉薬をかけずに、土と火だけにより生み出された自然な色合いの器なのですが、やはり薪窯のものはその色合いの変化による造形的要素が強調された所が魅力であり、またガス窯による食器類は、より控えめで優しい表情をした所が魅力であろうと思います。そういう点から田宮さんの器は、硬軟揃った強さと柔かさとの両面を楽しむことができる思います。ある時は男性的な強さ、ある時は女性的な優しさを。もしかしたら個展会場でその強い面と、ご本人の華奢な容姿がなかなか結びつかない方もいらっしゃるかもしれません。こんなに大きな壺を作り、そして一人抱えて持ってきた様子を想像すると、たくましくもあり、そして健気に思えます。ご自宅で5年間使って艶やかさが増した器が参考展示されています。最初は少し頑固でも、使って行くうちにだんだん馴染んで優しくなってくれるのも焼き締めの魅力かもしれません。
田宮亜紀 展 ~焼〆のあるくらし~
2009年5月23日(土)~5月28日(木)
12:00~19:00(最終日 17:00まで)
SHIZEN (東京・千駄ヶ谷) ホームページ
by sora_hikari | 2009-05-23 23:13 | 田宮亜紀さん