2009年 05月 17日
村上躍さんの個展 @ うつわ楓
南青山のうつわ楓で開催されている村上躍さんの個展へ行ってきました。村上さんは神奈川県で制作されています。村上さんの作る器は、手びねりによるもの。ろくろと違い、ひとつひとつの器を、粘土を紐状にしたり、板状にしたものを積み上げていき、それを手の指で押しつぶしながら丁寧に成型していく技法です。そのために、器の表面には微妙な指跡がリズムのように残っています。その表面に掛けられた化粧土と焼成方法によって、風化したり錆びたりしたようなテクスチャーとなって表れています。細部まで手を入れた器。指から伝わる温もりが器のなかに入り込んでいるような気持ちもします。昨年の展示では、花器を主にされていたようですが、今回はボウル、コーヒーカップ、丸皿などの器や、定評の高いポットなどが並んでいます。また今回の個展案内状の写真にも使われた動物の形をした小物入れも置かれています。これは村上さんのお子様が粘土で鳥を作ったことに触発されて、ご自身も鳥を作ったりヤギを作ったりしたものが、今回の展示品として昇華したようです。遊びというには完成度が高いのですが、どこかお気持ちのなかにご家族に向けた目線や、器づくりとの精神的な解放もあるのかもしれません。
※展示品はこちらのブログに紹介されています。
村上躍 展
2009年5月13日(水)~18日(月)
12:00~19:00 (最終日17:00まで)
うつわ楓 (東京・南青山) ホームページ
by sora_hikari | 2009-05-17 00:10 | 村上躍さん