2009年 04月 02日
渡辺遼さんの個展 @ ストライプハウス










六本木のストライプハウスギャラリーで開催されている渡辺遼さんの個展へ行ってきました。展示されているのは、鉄の彫刻の数々です。壁に掛けられた細く長い鉄、直立した鉄の棒、床に置かれた鉄の塊などが、ギャラリーの空間の中で、ひとつのインスタレーションのように配列されています。まるで日本庭園に置かれた石や木々のようなイメージがあります。そのように作品を総体として感じることも出来れば、実際にひとつひとつ手に持って、リアルな手触りや重さ、そして作品の中に閉じ込められた鉄粒や砂によって聞こえる音を実感することもできます。その音を仕込む意図は、作品と見る人がリアルに繋がるための接点と考えておられるそうです。からから振って、’からん’とか’さらさら’と音がすることで、作品を離れて見るだけではなくて、手に触れて何かが聞こえて、体験して、そしてコミュニケーションが生まれる。そんな人との距離感を大切にしているそうです。そういう訳か、それぞれは用途を持たないアート作品なのですが、なぜか渡辺さんの作るものには、何気なく手元にある存在として親近感が湧いてくるように思います。ご本人は、アートとかクラフトとか意識はせずに作っているそうです。固定した枠にはめずに、気に入った石ころのように接するのがいいのかもしれません。
渡辺遼 彫刻展 「とあるかけら」
2009年3月27日(金)~4月5日(日)
11:00~18:30
ストライプハウスギャラリー(東京・六本木) ホームページ
※5月30日(土)、31日(日)に長野県松本市で開催される「クラフトフェア まつもと」に出展されるそうです。
by sora_hikari | 2009-04-02 01:02 | 渡辺遼さん