2009年 03月 22日
山本亮平さんの個展 @ KOHORO
二子玉川のKOHOROで開催されている山本亮平さんの個展へ行ってきました。山本さんは有田で制作されています。型打ちという石膏型にろくろでひいいた粘土を押しあてて成型する器を作られています。和の伝統的な花形や八角形の器、洋の雰囲気があるリム皿など、独特の柔かい白に流麗な形が美しい山本さんの器の数々です。元は美大で油絵を学んでいたそうです。黒田泰造さんに憧れ陶芸作家の道に進まれたそうです。主な技術は有田の窯業学校で学ばれたそうです。そのときは染付をやられていたそうですが、現在は、無地の白い器を作っておられます。’描く’ことを大学や窯業校で修練してきたにも関わらず、その経験を使わずに、むしろ削ぎ落とした白と形のみで器を表現しているのは興味深いことだと思います。山本さんの器は、薄手の造りで磁器土をベースにしていますが、それを覆った乳白色が器を柔かく包んでいて、とても暖かい肌合いをしています。器に映る光が、型打ちで作られた曲面に薄いグラデーションを作る様が綺麗です。花びらのような飾りのある器を型打ちで作るのは必然性があるのですが、プレーンな形をしたリム皿も同じように石膏型を作って型打ちをしているのだそうです。本来なら、ろくろ成形をしてから削りの工程で完成するのですが、敢えて型に押し当てることで、手で作ったものを客観的な存在にするのだそうです。手造りと量産品の間。人為がこもり過ぎない距離感が山本さんの白い器の清さの魅力なのだろうと思います。
山本 亮平展
2009年3月21日(土)-~29日(日) 会期中無休
11:00~19:00
KOHORO (東京・二子玉川) ホームページ
盛付料理:フルタヨウコ
after hours:珈琲・お菓子
by sora_hikari | 2009-03-22 00:15 | 山本亮平さん