2008年 11月 17日
横山拓也さんの個展@桃居
西麻布の桃居さんで開催されている横山拓也さんの個展へ行ってきました。横山さんの作りだすテクスチャーの世界です。陶板皿、碗、カップ、片口、プレート、鉢などの食器に加え、今回は花器が充実しています。その中でも瓶子のような形をした花器が新たな作品として際立っています。粘土を板状にして積み上げて作っていくそうですが、土の表面に石の表面のような凸凹がつき、その上に白くてかさっとした化粧土が掛けられています。横山さんの手で生み出される造形には、土という素材にひとつひとつ手で込められた思いのようなものが入り込んでいるような気がします。静かでナイーブ。でも強い意志が中にあるように。先月発売された「やきもの、人、花。」という書籍の中の横山さんの取材記事の中に、花器を作る際の思いとして、「土のかたまりを連想させるものを作りたい」「花を器に入れるというより、器から『あ、若葉が出てきたな』『咲いたな』と思わせるもの」(抄訳)といった言葉を述べられています。土の立体物と自然の形のバランスの美しさ。豪華に飾られる花よりも、そっと一挿しされた草花が似合うように思います。それはなんとなく、控えめさと芯の強さが同居する横山さんのイメージと繋がるような気がします。
横山拓也 作陶展
2008年11月17日(月)-22日(土)
11:00-19:00
桃居(東京・西麻布) ※ホームページ
やきもの、人、花。 ―陶芸作家の工房を訪ねて。 ※Amazon
角川マガジンズ (2008年10月出版)
by sora_hikari | 2008-11-17 22:43 | 横山拓也さん