2008年 11月 07日
李英才さんのカップ






西麻布 桃居 2008年9月
李英才(リーヨンツェ)さんのカップです。上は大きめのコーヒーカップ、下は把手なしのカップです。色は、李さんの工房で作る6色のうち、上が青色で下が深い緑(黒)です。深みのある独特の色合いです。形は、トトロのおなかのような丸いシルエットで手で包み込んだような温かさを感じさせます。形づくりには、葉っぱの自然な形を参考にしたり、口縁は、人の親指の形を意識したりするそうです。親指を模すのには、赤ちゃんが加える指で、人が口にあてて一番自然な形だからだそうです。一見すると量産品のようにも見える器ですが、実はそんな自然から学んだ造形や、職人さんがひとつひとつ作った手作りの温かさが芯に見えてくるのが、李さんの器の魅力だと思います。「器は人の暮らしに奉仕するもの」という民芸的な思想を背景に、自我を出さずに作り出された自然体な姿が美しいです。
by sora_hikari | 2008-11-07 22:59 | 李英才さん