2008年 09月 05日
関昌生さんのワイヤーオブジェ



神宮前 Untidy 2008年8月
福岡県吉井町で四月の魚というお店を営まれている関昌生さんの作った針金細工のオブジェです。上の写真の作品は、ボウル状の形に細い針金を編んだものです。直径は30センチ程あり、見た目の軽やかさに比して、壁などに掛けるとそれが映し出す影が美しい存在を示します。下の写真のものは、細い三角錐に針金を巻きつけて、先端部にプロペラの羽のようなものが付いています。どこか遠くにある鉄塔のようにも見えますし、盆栽のようなミニチュアワールドに入った気分になります。どちらも不思議な形をした造形物です。関さんの作るワイヤーは、しおりやカード立てなどの実用的なものや、具象的な街の風景を切り取ったようなものもあり、そちれらも魅力的ですが、このような用途を持たない不思議な空気を伝える作品は、その存在自体が意味を成しているように思います。ワイヤーのラインが細くはかないのだけれど、お互いが繋がったり巻かれたりした形から生まれる存在は、空間を取り込んだ彫刻のように感じられます。
by sora_hikari | 2008-09-05 01:24 | 関昌生さん