澄敬一の仕事展

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目黒のCLASKA2階にあるギャラリー&ショップDO(ドー)で開催されている澄敬一(すみけいいち)さんの展示会へ行ってきました。澄さんは、かつてpush me pull youというお店を運営され、現在は店舗内装や作品づくりをされているそうです。澄さんやpetit culの松澤紀美子さんが、現在の古道具への眼の向け方へ影響を与えたことについては、間接的に本や人伝てに聞いたことはあるのですが、安易に消費されることへの嫌悪からか、あまり表に出てこられないために実際の制作物も目にしたことがありませんでした。今回のように多くの作品に触れられる展示会は貴重な機会です。この展示会のメインは、鳩時計。乾いた木で構成され文字も針もない箱。鳩時計を分解してその機能だけを箱の中に収めたもの。時を告げる時だけ鳩が扉から顔を出します。この箱が空間に円を囲むように天井からいくつも吊るされています。そのシンプルな有り様は、情報過多になっている生活に対して、不要なものをそぎ落とし、敢えて純粋な部分だけを刹那に表すことで改めて「ものの存在の意味」が問われているようにも思いました。この鳩時計以外にも、昨年出版された「1×1=2」の本に掲載された作品をはじめ、たくさんの物が置かれています。海で洗われた木、乾いた無垢材、使い込まれた布、むきだされた機械。素材の持つ力や道具の芯にある‘機能’の美しさへ目を向けながら、それの周りを、剥ぎ取り、継ぎ足し、組み合わせる。そして再構成された新たな存在感。形は違うけれど共通した清らかさのある澄さんの作りだす独自の世界です。今やジャンク品を繋ぎ合わせた道具を見ることがあるけれど、その原点となる世界を作られたと聞きます。古いものを耽美的に鑑賞するだけではなく能動的に手を加えることでそれの持つ美しさを再認識させてくれるように思います。道具なのかアートなのか。澄さんの作られたものを、どう解釈するのかはいろいろな視点があるのだろうと思います。きっとそういう意味を前提には作っていないと思うけれど、結果的に生み出された「もの」の背景から見えてくるいまの時代感が「何か」を象徴している気がしました。


「澄敬一の仕事」展 -鳩時計-
2008年8月7日(木)-9月7日(日) ※HP
11:00-19:00
CLASKA 2F Gallery & Shop "DO"
目黒区中央町1-3-18(最寄:東横線 学芸大駅 徒歩10分) ※ストリートビュー

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※昨年末に出版された澄さんと松澤さんのお仕事が紹介された本です
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1×1=2 二人の仕事
ラトルズ (2007年11月出版)  ※amazon


by sora_hikari | 2008-08-12 00:40 | 澄敬一さん

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