伊藤正さんの角鉢

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西麻布 桃居 2008年6月

岩手県花巻市で制作されている伊藤正さんの角鉢です。正方形で立ち上がりが放射状に広がっています。質感は一見すると石のように見えます。炻器(せっき)と言われる堅い焼締めの器です。自ら掘ってきた土を使い、手び練りで成形しながら、このような粗々しい変化をつけ、焼成後に更に金属ブラシで磨くことで、このテクスチャーを生み出しているそうです。土探しから仕上げまで、手間のかかるお仕事ですが、そういう遠回りをする過程で、土と格闘し、土をならし、そして土と戯れることで、ご自身の世界に近付けていくのだろうと思います。石と土の間のような器。堅い中に見えてくる深遠な土の表情から、伊藤さんの土へのこだわりが伝わってくるように思います。

by sora_hikari | 2008-07-09 21:19 | 伊藤正さん

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