森岡由利子さんの白磁碗

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中落合 器スタジオTRY 2008年6月

森岡由利子さんの白磁碗です。肉厚でどっしりした重みのある形に、しっとりと鈍い白が美しいです。貴品を求める器よりは、日常雑器として使われた庶民の生活用具としての健康的な美を表しているように思います。李朝の白磁に魅かれて追及し続けておられ、時には李朝よりも李朝らしい白磁と言われることもあるようです。磁器土に釉薬を生掛けし、低めの温度帯でじっくりと薪で焼成することで、この深みのある白を出されているそうです。見込みには自然にかかった灰が粒状に残り、自然な雑味を見せています。求めるものは作為を超えた自然体なのでしょうか。外連味のない器の存在が、作者の暮らしや生き方を表しているように思います。

by sora_hikari | 2008-07-02 21:27

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