青木良太さんの茶碗

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西麻布 桃居 2007年10月

先日、桃居さんで行われた青木良太さんの個展の際のものです。今回の展示会に題された「今焼き」とは、桃山時代に千利休が、当時は古来の唐物や高麗物の茶碗が珍重される中、現代版茶碗=今焼きとして、日本オリジナルの楽茶碗を生み出したというところからきているそうです。その当時の斬新さを、青木さんなりに咀嚼して表現したのが、今回の「今焼き」に繋がっています。この茶碗は、釉薬が溶岩のように溶け、ところどころがクレーターのようになっています。一般の焼きものだと、ブクが出たといって失敗になりますが、青木さんは敢えて、それを活かした変化に富む色を出されています。見込みに溜まった釉の色は、星雲のような模様を描き出しており、のぞきこむと宇宙の一部がそこにあるようです。以前お聞きしたときには、1グラム単位で釉薬の調合を変え、テストを繰り返しているとのことでした。「今焼き」にチャレンジするその背景には、偶発性ではなく、地道な努力と創造性がともなった行為から生み出されるようです。

by sora_hikari | 2007-11-26 22:56 | 青木良太さん

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