2007年 10月 30日
新宮州三さんの木台





西麻布 桃居 2007年10月
先日、桃居さんで行われた新宮州三さんの個展の際のものです。無垢の木から刳りだされ、表面には鑿(のみ)跡が残り、黒い漆が塗られ、仕上げに蜜蠟を塗っているそうです。足は力強く肉感的です。輪島で漆の勉強をし、その後、京都で刳りものを学ばれたそうです。木地づくりから漆塗りまで。一貫して自らの手で作りだされた器や台には、新宮さんの考える造形美を感じます。それは、石のような力強さに木の持つ柔らかさを活かしたもの。そこに見えてくるのは、木が本来持っていた生命力を活かして、そのまま刳り出してやろうという気持ちです。器という造形に置き換えながらも、自然の持つ神秘性に尊厳を感じているように思えます。
by sora_hikari | 2007-10-30 20:47 | 新宮州三さん