新宮州三さんの個展

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西麻布の桃居さんではじまった新宮州三さんの個展に行ってきました。今回が初個展。桃居さんでのお披露目です。新宮さんは京都の宇治市で制作されており、木地づくりから漆塗りまで一貫して制作されています。今回の展示は、お盆、箱もの、木台などの平面、四角形のものが中心です。これらは、木を張り合わせて作るのではなく、刳りもの(くりもの)といって、木を鑿(のみ)や鉋(カンナ)を使って、形を削りだしていくのだそうです。他に指しもの・曲げものという方法があるそうですが、刳りものは、それらに比べ、より原始的な制作方法のようです。木からそのまま生み出された形に、表面に鑿(のみ)や鉋(かんな)跡を残し、漆を塗り、仕上げに蜜蠟を塗ってあります。黒い漆は艶やかな仕上げではなく、下地塗りのマットな状態で、鑿跡(のみあと)の残る面を蜜蠟で磨くことで、光の反射が美しく黒の濃淡を映しだします。漆塗りの器は、一般的には繊細で艶やかなイメージですが、新宮さんの作られるものは、力強く、堅く引き締まって、太古の石のような印象を受けます。刳り、塗りを経てもなお、木のもつ力がそこにまだ残っているように感じます。きちんとした技術を裏付けにしながら、そういうストレートな作り手の気持ちが伝わってくるのが魅力的だと感じました。店内には同じ漆作家である奥様の村山亜矢子さんのお碗や箸も一部置かれており、女性らしい繊細な塗りものにも好感を持ちました。

新宮州三 木工展
2007年10月1日(月)-10月6日(土)
11:00-19:00
桃居(西麻布)

by sora_hikari | 2007-10-02 00:29 | 新宮州三さん

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