あたらしい教科書 「民芸」

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この方のブログで紹介されていた新しい教科書シリーズの「民芸」という本を読んでみました。民芸には昨年、日本民藝館へ行ってから関心を持っているのですが、この本は今までの民芸のもつイメージとは違った視点でその意味するところを読み解いていて新鮮でした。民芸という言葉からは、土着的な手作り品、アノニマスな工芸品、地域のお土産品などを想起することが多いと思うのですが、この本ではその根幹にあるのは、美しいものを見出す「眼の運動、眼の力」であると論説されています。民芸運動は、当時の権威的な美術品やお茶の世界に対してのアンチテーゼでもあったと思うのですが、当時の民芸運動で見立てられた李朝などをはじめとする工芸品は、現在では評価がすでに確立され肩書きが先行することが多いように思います。この本にあるように、本来の民芸運動のもっていた見出す眼を踏まえて捉えれば、また違った美しいものへ目を向けることができるのかもしれません。

あたらしい教科書11 
民芸
プチグラパブリッシング (2007/02発刊)

by sora_hikari | 2007-03-19 13:29 |

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