富本憲吉展へ


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世田谷美術館で開催されている富本憲吉展へ行ってきました。生誕120年を記念した回顧展です。色絵磁器の実績により人間国宝になった富本憲吉の作品が若い頃から晩年まで通観できます。元々東京藝大の図案科で建築と室内装飾を学んだ背景があるためか、色絵で施される紋様もデザイン的な要素を感じさせます。技術の粋を極めた中国陶磁器に比較すると、緻密で意匠的な色絵でありながらもどこかに手跡を感じさせる味わいがあり日本的な要素を見たように思いました。配色も大胆、金銀彩も綺麗な器ばかりですが、何故か心ひかれたのは、若い頃の民藝運動に影響されたような素朴な作品や、何の絵もない白磁の作品でした。時にはこのようなオーセンティックな器展を見に行くのも世界観が広がって楽しいです。

生誕120年 富本憲吉展
2007年1月4日~3月11日迄
世田谷美術館

by sora_hikari | 2007-01-22 01:22 | 見て歩き

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