「藤田佳三展 澄心静慮」2日目

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藤田佳三展 澄心静慮」の2日目。

小さな茶道具に漂う雅趣。藤田佳三さんの振出、茶入、香合。

藤田佳三展 澄心静慮(ちょうしんせいりょ)
2026年6月6日(土)~13日(土)
営業時間 11時~18時 最終日は17時迄
ギャラリーうつわノート
埼玉県川越市小仙波町1-7-6

経歴
1963年 京都市生まれ
1982年 京都市銅駝美術工芸高校卒業
1986年 京都芸術短期大学陶芸専攻科修了
1987年 小川文斎氏に師事 
1988年 走泥社・林秀行氏に師事
1990年 兵庫県丹波立杭にて修行
1993年 京都府亀岡市にて独立開窯
2026年 現在、同地にて制作

解説
本展にあわせて制作された香炉は、中国古代の副葬品「明器」を想起させる作品です。獅子を戴き、鳳凰の意匠が施されたその姿には、死後の世界においてもなお豊かさを願った古代の祈りが重ねられています。土に還ることなく残り続ける焼き物が、祈りのかたちとして機能してきた歴史は、藤田佳三さんの制作にも静かな影響を与えているのでしょう。

1963年京都市に生まれた藤田さんは、長年にわたり染付や赤絵のうつわで高い評価を得てきました。一般に磁土による硬質な表現が主流とされるこれらの技法に対し、陶土に白化粧を施し、その上に絵付けを行うことで、どこか柔らかく温もりを帯びた器へと昇華させています。安南手を思わせる滲みのある染付や、宋赤絵に通じる余白を活かした構成には、軽やかで洒脱な美意識が宿り、日々の食卓に自然と寄り添います。

その仕事には、中国から東南アジア、さらに中東へと連なる文化の流れが見て取れます。紅安南や飴釉に至るまで、作風は南方的でおおらか。異国の民族的意匠を京都の風土と融和させることで、独自の器の世界を築いてきました。そこに通底するのは、豊穣や繁栄を願う人々の普遍的な想いです。四十年以上にわたる作陶の歩みの中で、藤田さんはオブジェからうつわへの転向、問屋での経験など、時代の変化とともに多様な現場を経てきました。その積み重ねが、確かな技術と柔軟な感性を支えています。

本展のテーマ「澄心静慮(ちょうしんせいりょ)」とは、心を澄ませ、静かに思いをめぐらせること。その言葉が示すように、藤田さんの器と向き合うひとときが、心を澄ませ、自らの内へと静かに意識を向ける契機となれば幸いです。どうぞこの機会に、藤田佳三さんの豊かな表現の世界をご高覧ください。店主


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by sora_hikari | 2026-06-07 18:00 | 藤田佳三展2026

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