2026年 02月 16日
「安永頼山展 枯木立の萌芽」2月21日(土)より


2月21日(土)から始まる「安永頼山展 枯木立の萌芽」の出品物です。
枯木のごとき佇まい。色は尽きたかに見えて、なお内に火を抱く。
ひと碗は絵唐津。かすれた筆の痕が、風の通い道をつくる。
もうひと碗は皮鯨。焼け肌の陰影に、歳月の深みが沈む。
枯れて、なお萌す。冬木立の奥に潜む、かすかな芽吹きの気配。静かなる強さが、そこにあります。
絵唐津茶盌 W12.5/H7.6cm
皮鯨茶盌 W12.7/H7.9cm
安永頼山展 枯木立の萌芽
2026年2月21日(土)~28日(土)
作家在廊日 2月21日
営業時間 11時~18時 最終日は17時迄
ギャラリーうつわノート 埼玉県川越市小仙波町1-7-6
経歴
1970年 島根県益田市生まれ
2001年 田中佐次郎氏に師事
2003年 藤ノ木土平氏に師事
2008年 登り窯を築窯し独立
2013年 田中佐次郎氏命名の「頼山」に改名
2025年 現在、佐賀県唐津市北波多にて制作
解説
古唐津発祥の地・唐津市北波多で作陶する安永頼山さん。本展では唐津の王道とも言える無地唐津、絵唐津を主軸に据えながら、掛け分けや黒唐津、さらには歴史的文脈から再解釈した白磁にも挑戦しています。伝統に深く根ざしつつ、その本質を見つめ直し、新たな表現へと踏み出した意欲的な内容となりました。
安永さんは唐津を「晩秋から初冬の枯木立」にたとえます。それは枯れ果てた景色ではなく、秋に葉を落とし、冬を耐え、春に再び芽吹くための静かな準備の時間。制作にあたっては、唐津焼の侘びた風情の中に、瑞々しい生命力や次の季節への予感をそっと潜ませることを大切にしていると語ります。潤いと温もりを感じさせる柔らかな肌、高台に現れる豊かで力強い土味――それこそが今回もっとも感じ取ってほしい見どころです。
古唐津は、華やかな装飾や鮮やかな色彩とは無縁で、朽ち葉のように枯れた風合いを湛えています。それでもなお人々に愛され続けてきた理由は、質素なものに趣を見いだす「侘び」、時の移ろいに深みを感じる「寂」という、日本人特有の美意識に通じるからでしょう。
しかしその魅力は、知識だけで理解されるものではありません。自然との共生を尊ぶ心、古刹や古道に触れたときの郷愁、形の背後から立ちのぼる情感。和歌の時代から受け継がれてきた、間接的に自然や感情を捉える感性が、私たちの内奥に息づいているのです。
焼き物を見ることは、形や色を味わうだけでなく、行間を読むように背景を感じ取る行為でもあります。茶盌は茶を喫する道具であると同時に、心を静かに高揚させる存在でもあります。安永頼山さんの唐津に触れ、その奥に宿る生命の気配を、ぜひ会場で実感してください。店主


by sora_hikari | 2026-02-16 18:00 | 安永頼山2026

