2026年 01月 28日
「日高伸治展 翠象仏心」5日目


「日高伸治展 翠象仏心」の5日目。
昨晩より日高伸治展オンラインストアがオープンしました。早速ご注文いただきました皆様に御礼申し上げます。お品物は本日発送しました。お届けまでの間しばらくお待ちください。まだ良い作品がございますので引き続きよろしくお願いいたします。
写真は、安南(ベトナム)の古陶磁を本歌とする「水注(ちゅうすい)」です。微量の鉄分が還元焔によって発色した青磁。本体は扁平な形で、蓋には「カニ」「エビ」の飾りが付いています。ベトナムは紅河やメコン川を代表とする河川流域の恵みを受けてきた地域ですから、淡水に棲む生き物は神様の使いとして崇められてきたのでしょう。
「水注」は文字通り、水を注ぐ道具ですが、主にはお酒を注ぐために使われたそうです。冷のまま酒注ぎでも良し、湯に浸してぬる燗にするのも粋でしょう。また中国茶の大きめの茶葉なら、急須としてもご利用いただけます。
青磁平形水注 胴径13/高さ8.5cm/320ml
【日高伸治展オンラインストア】
販売期間:2月1日(日)20時まで
日高伸治展 翠象仏心
2026年1月24日(土)~31日(土)
営業時間 11時~18時 最終日は17時迄
ギャラリーうつわノート
埼玉県川越市小仙波町1-7-6
プロフィール
1972年 愛知県豊田市生まれ
1997年 東京藝術大学大学院油画修了
1998年 ゲームエンタテインメント会社勤務(12年間)
2011年 愛知県立窯業高等技術専門校修了
2026年 現在岡山県備前市在住
解説
中国では古来、青磁の理想色は翡翠のような澄んだ“翠”にあり、韓国・高麗青磁には国教であった仏教の精神が深く息づいています。この度、日高伸治さんの個展テーマ「翠象仏心(すいしょうぶっしん)」としたのは、そうした青磁の歴史に宿る思いを踏まえ、「翠=翡翠色」、「象=その姿を象る文様」、そしてそこに静かに潜む「仏心」を一つの言葉に結び上げたものです。
岡山県備前市で作陶する日高さんは、初期にはベトナム古陶磁への関心から出発し、やがて高麗・宋代へと視野を広げてきました。古陶磁を学びつつも単なる写しではなく、独自の草花文様や古色を帯びた質感に心を砕き、展示会のたびに作品世界はより深く、陰影を増しています。古典を咀嚼し、自身の表現へと昇華させようとする姿勢。その造形の奥で、物質に宿る祈りのような気配を捉えようとする眼差しに、作り手・日高伸治という人物が静かに浮かび上がります。
日高さんは東京藝大で油画を学び、卒業後はゲームデザイナーを経て陶芸の道へ進みました。出発点は暮らしの器でしたが、近年は古陶磁の骨格を臨書するように吸収し、青磁を中心に装飾の幅を広げています。ただし、その意匠や色調は華やかさを追うのではなく、あくまで抑制的です。内面へと沁み込むような静かな衝動を形にするところに、日高さんの作品の魅力があります。物質としての器を越え、“かたちの奥にある心” を見つめる「翠象仏心」の世界をどうぞご高覧ください。店主


by sora_hikari | 2026-01-28 18:00 | 日高伸治展2026

