「外池素之展 融景」ありがとうございました

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外池素之展 融景」は本日終了しました。会期中ご来店くださいました皆様、ネットを通じてお選びくださいました皆様に心より御礼申し上げます。尚、オンラインストアは本日(1/17)21時までご利用いただけます。いくつか追加の作品も掲載しましたのでお見逃しの方はどうぞご覧ください。


写真は開店当初の展示の様子です。全容をご覧いただくことが出来ませんでしたのでこちらでご紹介します。


外池素之さんは、常滑の現代食器の系譜にいる作家さんです。2000年代に入って顕著になった生活食器を作る作家さんが常滑にも多く表れました。古典的な常滑である古常滑や急須を引き継ぐのではなく、今の暮らしに根差し、食卓をステージとした味わい深く使い易い器の作り手たちです。彼らは産地に頼らずクラフトフェアや全国の器店で活動を広げ、今を代表する常滑の「器」を生み出しました。かつて西荻にあった名店・魯山は、それを象徴する場であった記憶があります。


自己表現や技巧の高さを価値とする鑑賞陶器や前衛陶とは異なり、日常を標榜する「うつわ」は、表現も抑制的かつ価格も安価で、一般家庭に作家ものの裾野を広げる文化を形成しました。外池さんは、その流れを引き継ぎながら、新たなうつわの強い表情を提案しています。今回弊店で3回目となる展示会でしたが、着実にお客様の支持は広がり、大きな成果となりました。とにかく今は嬉々として作り続けている様子が伝わってきます。


「うつわ」というのは、個人の表現が大きく秀でているものではなく、道具として従属する受動性が大切です。ゆえに何か絶対的な優位性がある訳でもありません。作家間の差は、あくまでわずかでありますが、しかし、その僅かな違いが、大きな個人差にもなります。もちろん器の良さによりますが、数パーセントの差は、市場に対して自ら心を開いて作る姿勢と行動に出るのでしょう。外池さんを見ていると、謙虚に努力を積み重ねている誠実さが多くの方に届いているように思います。


今回外池さんの作品をお選びくださいました皆様にあらためて感謝をお伝えします。日々のお暮しと共にどうぞ末永くご愛用ください。この度はありがとうございました。


【外池素之展オンラインストア】

https://utsuwanoteshop.stores.jp/

販売期間:1月17日(土)21時まで


外池素之展 融景

2026年1月10日(土)~17日(土)
ギャラリーうつわノート
埼玉県川越市小仙波町1-7-6

経歴
1992年 愛知県大府市 生まれ
2014年 愛知大学地域政策学部卒業
2014年 広告代理店勤務
2019年 とこなめ陶の森 陶芸研究所修了
2026年 常滑を拠点に製作活動

解説
自然の木灰を重ね合わせ、窯火によって融け合う瞬間に立ち上がる景色。この外池素之さんの器の作行を「融景(ゆうけい)」と表しました。木灰の成分が原土と出会い、焼成の最中に融け流れ、絡み合い、思いも寄らぬ表情を見せる。その景色は、作為を超えた自然のはからいであり、ときに宇宙のガス星雲のような神秘を湛えます。

外池さんの器づくりは、常滑・瀬戸・岐阜といった中部地方の原土をブレンドし、檜・樫・いちじく・藁・雑灰など、多彩な木灰を釉薬として掛け合わせることから生まれます。二種以上の灰を施釉することで、窯の中で成分が反応し、深く複雑な景が生まれるのです。自然の “割り切れない変数” は、人の手で完全に制御できるものではありません。それゆえ窯出しのたびに喜びと苦労が交互に訪れますが、その予測不可能な結果が器に唯一の生命を吹き込みます。

外池さんとのご縁は2022年の「沢田重治と外池素之展」に遡ります。とこなめ陶の森 陶芸研究所で勤務していた頃、沢田重治さんの壷と出会い、その収集や企画への献身的なご協力を得て実現した展示でした。愛知県大府市に生まれた外池さんは、大学では江戸期の古文書研究を専門にし、お伊勢参りの道中記から庶民の生活を読み解いていたといいます。歴史をひもとく面白さは、現在の器づくりにもどこか通底しているのでしょう。卒業後は広告代理店に勤めましたが、自らの手で完結する仕事への憧れから退社し、とこなめ陶の森 陶芸研究所で陶芸を学び、助手を経て、2019年より作家として歩み始めました。

今展では、自然灰を掛け流した外池さんの代表的な「融景」の器をはじめ、近年力を入れている急須もご覧いただけます。前回以上に作品の力強さが相まって、国内外の多くの方々に響いていることを実感しています。自然と対話し、謙虚に器と向き合う外池素之さんの仕事に、ぜひ触れていただければ幸いです。店主


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by sora_hikari | 2026-01-17 17:10 | 外池素之展2026

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