2025年 06月 26日
「巴誉タイル展 幾何の肖像 」ありがとうございました



















「巴誉タイル展 幾何の肖像 」は、全作品が完売となったため、会期を繰り上げて終了いたしました。ご来場いただいた皆様、ならびにオンラインを通じてご購入いただいた皆様に、深く御礼申し上げます。会期終盤までご案内できなかったことについてお詫び申し上げます。
掲載の写真は、初日の展示風景および巴誉さんのアトリエの様子です。展示をご覧いただけなかった方に、概要をお伝えする一助となれば幸いです。
既製のタイルを素材として作品を構成する作家は少なくありませんが、タイルそのものの意匠から手がけ、作品化する巴誉さんのアプローチは稀有な存在と言えるでしょう。ご本人は「タイル作家」と名乗るべきか逡巡することもあるようですが、本展における反響の大きさは、この分野における新たな作家像の可能性を示すものといえるでしょう。
タイルの起源は古く、古代メソポタミアやエジプトにまで遡ります。例えばバビロンの「イシュタル門」に見られるように、動物や神格を表す意匠がタイルに施され、建築と不可分なかたちで装飾文化が発展してきました。これは、まだ日本列島が縄文から弥生時代に移行する土器文化であった紀元前6世紀のことです。
タイルは建材であると同時に、宗教的・文化的意匠を託すメディアでもあり、特にイスラム美術においては、偶像を排しつつも幾何学文様や植物文様、カリグラフィによる装飾が高度に洗練されていきました。日本では明治期以降、西洋建築の導入に伴い釉薬タイルの製造技術が普及し、近代建築の装飾材として位置づけられるようになりました。
巴誉さんの作品を見ると、「タイル」というメディアが持つ美術的・建築的・宗教的文脈は、現代の陶芸表現においても有効であることが確認されます。幾何学的であるがゆえに構成の自由度が高く、また象徴的なイメージを載せやすいという点で、タイルは極めて示唆的な表現領域です。歴史的にタイルが担ってきた象徴的・宗教的役割を踏まえると、巴誉さんのタイルのアニマルたちは神様の使いのようであり、植物模様が描かれた彩りは精神世界を表す曼荼羅のようにも見えます。そう考えると、巴誉さんはタイルを通した巫女のような存在でもあるでしょう。
このような表現を受け取った多くの方々が、本展を通じて作家の意図を共有されたことは、本企画にとって大きな成果であったと思います。今後の巴誉さんの展開にも引き続きご注目いただければ幸いです。ご高覧、誠にありがとうございました。
巴誉タイル展 幾何の肖像
2025年6月21日(土)~25日(水)
※作品が完売したため早期終了しました
ギャラリーうつわノート 埼玉県川越市小仙波町1-7-6
プロフィール
福本巴誉/Tomoyo Fukumoto
1984年 埼玉県生まれ
2007年 武蔵野美術大学デザイン情報学科卒業
2007年 広告代理店勤務(3年間)
2010年 タイル制作を始める
2014年 奈良県で制作(5年間)
2025年 現在埼玉県熊谷市で制作(2020~)


by sora_hikari | 2025-06-26 18:16 | 巴誉

