「山本雅彦展 現代のアニミズム」6日目

「山本雅彦展 現代のアニミズム」6日目_d0087761_14442430.jpg

「山本雅彦展 現代のアニミズム」6日目_d0087761_14442723.jpg

「山本雅彦展 現代のアニミズム」6日目_d0087761_14443140.jpg

「山本雅彦展 現代のアニミズム」6日目_d0087761_14443323.jpg



直径26cmの深皿。どっしりとした存在感をもちながら、どこか温もりを感じさせる一枚です。形は、古いアフリカの木鉢や日本の繭皿に通じるものがあり、ろくろによる均整のとれた曲線ではなく、まるで土を刳り出したかのような手の跡が静かに残ります。刷毛目や釉薬の流れが生み出す表情は一枚ごとに異なり、味わい深い景色を映し出します。プリミティブな力強さを宿しながらも、カレーやパスタなど日々の食卓にも馴染む実用性を備えた器です。

青灰深皿 Φ26/H5cm

【山本雅彦展オンラインストア】
販売期間:3月15日 21時まで

山本雅彦 展 現代のアニミズム
2025年3月8日(土)~15日(土)
11時~18時 最終日は17時迄
ギャラリーうつわノート
埼玉県川越市小仙波町1-7-6

略歴
1981年 奈良県高取町に生まれる
2003年 京都府陶工高等技術専門校入校
2004年 村田森氏に師事
2007年 奈良県高取町にて独立
2012年 奈良県御所市に工房と住居を移す
2017年 奈良県曽爾村に移住
2025年 現在同地にて制作

解説
アニミズムは、物や自然の事物に霊的な存在や生命が宿るという信念に基づき、古代から続く深い思想の一つです。この信念は、時として模様という視覚的な表現を通じて表れ、特に先住民の文化においては、自然や精霊との神聖なつながりを象徴し、霊的な力を呼び寄せたり、悪霊を遠ざける役割を担ってきました。ネイティブアメリカンの自然観においては、自然界のすべてのものが神聖視され、自然との調和が生命の根本であるとされています。精霊との繊細な関係性や循環、バランスを尊重し、共同体全体の繁栄を考えた共生の思想は、現代においても多くの示唆を与えてくれます。

奈良県曽爾村の山本雅彦さんが作り出すものには、まさに古代の知恵と現代の手法が見事に融合し、新たなメッセージとして現代人の魂に響く力があります。彼の作品に触れた瞬間、動物的な身体性を感じ取るとともに、その根底に流れるアニミズムと、道具としての実用性が織り交ぜられた深い意味に驚かされました。道具には、古来からの自然崇拝や信仰、そして畏怖といった感情が込められていたのだと改めて感じます。山本さんの作品は、長い年月をかけて培われてきた民族文化を、現代的な手法で再解釈し、新しい形で私たちの心に届けようとしています。そのため、かつて道具が持っていたアニミズムの感覚を、言葉では言い表せない衝動として、私たちの中に呼び覚まさせるのです。店主

「山本雅彦展 現代のアニミズム」6日目_d0087761_00490670.jpg


by sora_hikari | 2025-03-13 18:00 | 山本雅彦展2025

<< 「山本雅彦展 現代のアニミズム... 「山本雅彦展 現代のアニミズム... >>