「小野陽介展 Smooth Life」4日目

「小野陽介展 Smooth Life」4日目_d0087761_17163637.jpg

「小野陽介展 Smooth Life」4日目_d0087761_17163894.jpg

「小野陽介展 Smooth Life」4日目_d0087761_17164115.jpg

「小野陽介展 Smooth Life」4日目_d0087761_17164544.jpg



小野陽介展 Smooth Life」の4日目。

小野陽介展オンラインストアのプレビューを開始しました。現在はCOMING SOONと表示されますが、それぞれをクリックして頂くと価格を確認して頂けます。ご購入手続きは明日2月26日(水)20時から承ります。尚、店頭でも同時に販売しておりますので先に売約済みなる場合がございます。どうぞあらかじめご了承ください。

小野陽介展オンラインストア
https://utsuwanoteshop.stores.jp/
販売期間:2/26 20:00-3/1 21:00迄

写真は小野陽介さんを特徴づける「緑青釉(ろくしょうゆう)」の壷や鉢です。釉薬に銅が含まれることでこのような発色をしますが、単調な色ではなく重層的な色調になっています。視覚的には硫化した緑青色というよりも、ターコイズブルーに近く、グスタフ・クリムトの描く点描の背景色にイメージが重なります。幻想的な女性像を得意とするクリムトは、当時の伝統的な画壇から離れる「ウィーン分離派」の中心人物であった訳ですが、この青色の共通性から発して小野陽介さんを「益子焼分離派」として例えるのは少々無理があるとは言え、彼自身の出自に対する内面的な葛藤を考えれば、あながち間違いではないかもしれません。

小野陽介展 Smooth Life
2025年2月22日(土)-3月1日(土)
営業時間 11時~18時 最終日は17時迄
ギャラリーうつわノート
埼玉県川越市小仙波町1-7-6

経歴
1987年 栃木県益子生まれ
2010年 東京で漫画家のアシスタント
2011年 益子に戻り実家の窯の修復の手伝い
2014年 愛知県立瀬戸窯業高等学校専攻科 卒業
2015年 栃木県益子町にて作陶を開始
2021年 茨城県石岡市へ移り築窯
2025年 現在、同地にて制作活動

解説
茨城県石岡市で作陶する小野陽介さんの個展です。栃木県益子町で陶芸家の両親のもとに生まれ育った小野さんですが、最初は陶芸の道を選ぶことはありませんでした。大学卒業後、東京で漫画家を目指してアシスタントとして活動していたものの、2011年の東日本大震災がきっかけで転機を迎えます。震災で実家の窯が崩壊し、その修復を手伝う中で改めて陶芸への思いを抱き、人生の方向を定めました。

あらためて陶芸の基礎を学ぶため、瀬戸の窯業学校に2年間在籍し、故郷益子に戻り作陶を始めます。当初は薪窯や原土にこだわり力強い器を焼いていましたが、現在は茨城県石岡市に拠点を移し、原理に縛られることなく協調的なうつわを生み出しています。ガス窯を使い、土の風合いを残した白・青・黒色に包まれた器は、どれも端正な形でまとめられ、土味とモダンさが絶妙なバランスで保たれています。

小野さんの作品は、誇張を避け、生活の中で自然に溶け込むような美しさを持っています。その器を手に取ると、彼自身の葛藤や迷い、そして陶芸との再会を通じて得た覚醒が感じられます。それは単なる器としての機能を超え、穏やかな生活と調和するうつわの景色を作り出し、私たちに静かな豊かさを与えてくれるのです。店主

「小野陽介展 Smooth Life」4日目_d0087761_23135378.jpg
「小野陽介展 Smooth Life」4日目_d0087761_09421396.jpg

by sora_hikari | 2025-02-25 18:00 | 小野陽介展

<< 「小野陽介展 Smooth L... 「小野陽介展 Smooth L... >>