2024年 05月 29日
「中村志野展 木に宿る仏性」5日目-5
「中村志野展 木に宿る仏性」の5日目-5。
中村志野展オンラインストアは本日5/29 20時からご利用頂けます。気になるものがございましたら、どうぞご覧ください。尚プレビュー中に売約済みになったものはsold outの表記にしております。
写真は中村志野さんの華鬘(けまん)です。今展では2点の出品がありましたが、その内のひとつになります。模様は架空の花である宝相華(ほそうげ)で、淡い青と黄で彩色された涼しげな色合いです。ご覧の通り、唐草の彫刻の巧みさと金属を模した縁飾りや鈴などの金箔部もよい風合いになっています。今展の中でもひと際、鑑賞性の高い作品です。
華鬘(けまん)とは、仏具の一種で仏前を飾るために,堂内の梁に掛ける団扇のような形をした装飾品(荘厳具)です。もとは髪に挿す花飾りでインドでは生花を花輪にして首にかけたそうです。それが仏教の風習として仏像の首や肩にかけて供養の法の一つとなり、仏堂内部の荘厳具として様式化されていきました。仏教美術の技術の粋を必要とする飾り具ゆえに、中尊寺の金銅華鬘や奈良国立博物館の牛皮彩色華鬘など国宝として認定されたものも残っています。
中村さんの華鬘は仏壇飾りにお使い頂くことも出来ますが、むしろ壁面に掛ける一枚の絵画のように、現代の室内空間に合わせて欲しいと思います。
法相華 華鬘形飾
サイズ w16.3/H16/厚み0.8cm
材と仕上げ等 桐、矢車玉、白土、顔料
【中村志野展 木に宿る仏性】
Exihibition of Shino Nakamura "The Buddha Nature in Trees"
2024年5月25日(土)~6月1日(土)
11:00~18:00 最終日は17時迄
ギャラリーうつわノート
埼玉県川越市小仙波町1-7-6
略歴
1984年 青森県生まれ
2008年 金沢美術工芸大学彫刻専攻卒業
2013年 東京藝術大学大学院博士号を取得
2013年 東京藝術大学にて助手(1年間)
2014年 東京藝術大学にて技術職員(1年間)
2015年 石川県挽物轆轤技術研修所にて挽物を学ぶ
2019年 石川県加賀市山中温泉にて独立
2024年 現在同地にて仏像彫刻や木工作品を制作
by sora_hikari | 2024-05-29 17:57 | 中村志野展