「中村志野展 木に宿る仏性」2日目-3

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中村志野展 木に宿る仏性」の2日目-3。

中村志野さんの龍水瓶です。本体は木製で漆と砥の粉を使って時代感のある仕上がりになっています。また花が生けられるように銅製の筒(落し)が付きます。

竜の頭の付いた水瓶(すいびょう)は、法隆寺に伝わる国宝の竜首水瓶が知られていますが、そちらは口の部分が竜首になっており、この水瓶とは形が異なります。

中村さんのこちらは仏様に供える浄水を入れる水瓶がモチーフになっており、それに突起した龍の頭がついた象徴性のある一品になっています。仏像は蓮華、宝珠、法輪、薬壷、杖などいろいろなものを手にしていますが、その中に水瓶を持つ観音像も多く、願いを叶えてくれる功徳水が入っていると言われています。

また龍頭は古い銅製のものが文化遺産として残っており、この水瓶の龍はその顔に似ています。古典の龍頭は仏事の儀式を行う際に庭に置く幡(はた)の頂上部につける飾り金具だそうです。

中村さんの龍水瓶は古典を取り入れながらも、その要素を独自に組み合わせて作った現代の工芸品なのです。

龍水瓶(栃、檜、漆、砥の粉)
高さ22/胴径9cm(龍部の突起含まず)

【中村志野展 木に宿る仏性】
Exihibition of Shino Nakamura "The Buddha Nature in Trees"
2024年5月25日(土)~6月1日(土)
11:00~18:00 最終日は17時迄
ギャラリーうつわノート
埼玉県川越市小仙波町1-7-6

略歴
1984年 青森県生まれ
2008年 金沢美術工芸大学彫刻専攻卒業
2013年 東京藝術大学大学院博士号を取得
2013年 東京藝術大学にて助手(1年間)
2014年 東京藝術大学にて技術職員(1年間)
2015年 石川県挽物轆轤技術研修所にて挽物を学ぶ
2019年 石川県加賀市山中温泉にて独立
2024年 現在同地にて仏像彫刻や木工作品を制作

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by sora_hikari | 2024-05-26 18:00 | 中村志野展

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