「太田修嗣展 確かなるもの」5月11日(土)より

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5月11日(土)から始まる「太田修嗣展 確かなるもの」の出品物です。

端反りになった7寸程の洗朱根来平鉢。「洗朱(あらいしゅ)」とは、明るい橙色の朱のこと。布地の染色が洗って薄くなったような色を形容した呼称です。因みに「古代朱」と呼ばれる漆器がありますが、こちらは赤ワインのような濃い朱色を指します。

また根来(ねごろ)の語源は、鎌倉時代に根来寺の僧侶たちの漆器が使い込まれていくうちに上塗りの朱が擦れて、下塗した黒が所々透けて見えた漆器に端を発する言葉です。その侘びた漆器の風情を数寄者が好んで根来塗りと呼び珍重しました。

現在の根来塗りは、下塗りの黒漆を透かした朱塗りの一種の古色表現として定着していますが、その擦れ具合や色味の程度をどう表すかは塗師ごとに千差万別です。太田さんの根来塗りはあまり誇張されておらず、口縁や隅に僅かに黒が透ける抑制的な塗り方です。また刷毛目を残した斑のある朱が程よいマチエールとなっています。光沢の強い漆器に比べると落ち着いた肌合いで、食卓で他の食器との取り合わせも良いでしょう。

洗朱根来平鉢 Φ20 / H 3.5cm

太田修嗣展 確かなるもの 
2024年5月11日(土)~18日(土)
作家在廊日 5月11日 
11:00~18:00 最終日は17時迄
ギャラリーうつわノート
埼玉県川越市小仙波町1-7-6

略歴
1949年 愛媛県松山市生まれ
1981年 鎌倉・呂修庵にて塗師の仕事を始める
1983年 村井養作氏に師事 蒔絵や変り塗りを学ぶ
1987年 神奈川県厚木市にて独立
1987年 ろくろ・指物・刳物一貫制作の工房を開く
1994年 愛媛県広田村(現・砥部町)に移転
2024年 現在 同地にて制作

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by sora_hikari | 2024-05-06 18:00 | 太田修嗣2024

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