「本多亜弥展 Nocturne」開催のご案内

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4月20日(土)から27日(土)まで開催する「本多亜弥展 Nocturne」のご案内です。

清涼な白磁を背景に淡い藍や緑のグラデーションで描かれた野葡萄の葉や実。立体的な日本画を見るように繊細な自然描写が韻律を踏まえた和歌の世界観と重なります。それは具象的モチーフを描きながら、季節の移ろいや美に感じ入る人との関わりなど、視覚だけでは捉えきれない感覚を表現しているように思えます。

本多亜弥さんは、古都 奈良で生まれ育ち、幼い頃から寺社仏閣に触れ、古い物への憧れからやがて工芸にの道に進みました。大学では陶芸を学び、その中でも絵を直接表現できる磁器染付を選びました。繊細な植物柄を主にして、輪郭線の中を太い濃筆(だみふで)で彩色する技法を得意としています。いわゆる染付磁器ですが、一般的な藍色だけでなく独自で調合した緑色を用いたり、絵を立体的に見せる染付彫りなど独特の表現技法に及んでいます。さらに絵付けのみならず磁土による器体も自らろくろ挽きしており、成形から絵付けまで一貫した製作を行っています。

大学時代から由緒ある伝統工芸展に出品し、百貨店、美術館、美術工芸店を中心に日本工芸会正会員として活動を積み重ねています。斯様な工芸の粋を極める正調な世界で技巧を培われつつも、本多さんの場合、リストのラ・カンパネラを弾きこなす技量を持ちながら、ショパンのノクターンをエレガントに聴かせる調和的演奏のごとく、日常を上回らず空気に溶け込むクラシック音楽のような奥ゆかしさが魅力的なのです。

本来は伝統工芸品も普段使いのうつわも境界なく繋がっているはずです。それぞれの文化が交錯することに意味があり、多様な世界こそ豊かな心を培うことでしょう。今展は日頃の発表の領域と異なることでご本人は戸惑いもあるかもしれませんが、むしろ華やかな賞歴は語らぬまま、新鮮な目でこの麗しきうつわの世界に触れて頂ければと思います。店主

【本多亜弥展 Nocturne】
2024年4月20日(土)~27日(土)
作家在廊日 4月20日 
11:00~18:00 最終日は17時迄
ギャラリーうつわノート
埼玉県川越市小仙波町1-7-6

【略歴】
1977年 奈良県天理市生まれ
2003年 愛知県立芸術大学大学院陶磁専攻修了
2003年 奈良県天理市にて築窯・独立
     伝統工芸展、百貨店、美術館などで発表
2024年 現在、天理市にて制作

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by sora_hikari | 2024-04-14 18:00 | 本多亜弥展

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