「森岡成好展 種子島」開催のお知らせ

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12月2日(土)~9日(土)に開催する「森岡成好展 種子島」のご案内です。

ねっとりとした鉄分の強い種子島の土。10日間に渡り30トンもの薪で焼き抜かれた赤胴色の焼締めです。和歌山県天野の森岡成好さんの核となるお仕事です。

大学を出て社会派のドキュメンタリーを撮りたくてハリウッドに映画技術を学びに行くも学生時代の反戦運動の煽りで奨学金を阻まれ途中で帰国することになります。一旦CM制作会社に入りますが組織に肌が合わず、山暮らしの中で一から十まで自分の手で出来る陶芸を志します。高野山の陶芸家のもとで10か月程下積みを経験しますが、陶芸を学んだのは国内や世界各国の窯場を周って実践的な仕事を多くみたことでした。

その中でも26歳(1974年)に種子島で出会った焼締めが森岡さんの陶芸家としての礎となりました。種子島では江戸期初期から能野焼き(よきのやき)という主に生活雑器が焼かれていましたが、明治中頃に途絶えてしまいます。1971年にこの能野焼きを復興させようと種子島の有志が陶磁学者の小山冨士夫氏に依頼し、その役を唐津の中里隆氏に託し種子島で窯場を開き焼締めに取り組みました。その間もない頃に種子島を訪ねた森岡さんは、原始的な力強さと土の性質に魅せられ、焼締めを核とする作家として活動することとなりました。

その後、北米,中南米,韓国,東南アジア,アフリカの窯場を周るうちに、いまだに生活に根差す土着的な焼き物の在り方に自身の焼き物の方向性を重ねて合わせていくのでした。当時はまだ焼き物を作る作家は美術作品を目指し芸術家たらんと特殊な領域に座していましたが、そんな時代にあって森岡さんが志向したのは、庶民の暮らしの中にある焼き物の姿だったのです。

森岡さんが「南蛮焼締め」を選ぶのは、南洋で生まれた生活道具であること、国内産地の古い慣習に捉われずに自由に向き合えること、そして土の生命力を宿していることです。今展は森岡成好さんの原点となる「種子島」の土を使った焼き物中心の内容となります。

初日12月2日(土)は久しぶりにしげさん、ゆりさんが在廊し、皆様と囲む宴席を用意する予定です。どうぞこの機会に森岡成好さんの原点となる「種子島」をご高覧ください。店主

森岡成好展 種子島
2023年12月2日(土)~9日(土)
作家在廊日 12月2日
11時~18時 最終日は17時迄
ギャラリーうつわノート
埼玉県川越市小仙波町1-7-6

プロフィール
1948年 奈良県吉野に生まれる
高校・大学時代は山岳部にて登山に没頭
1970年 渡米し映画制作技術を学ぶ
1974年 種子島を訪れ南蛮焼締めに出会う
1974年 和歌山県 天野の地に築窯
それ以降、国内外の窯場を訪ね土器や陶器を学ぶ
1991年 ネパールヒマラヤに登頂
2023年 現在、和歌山県かつらぎ町下天野にて制作

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by sora_hikari | 2023-11-26 09:00 | 森岡成好展2023

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