2023年 09月 11日
「阪本健 展 アンフォルメル」3日目
「阪本健 展 アンフォルメル」の3日目。
「骸(むくろ)」、「浸食」と名の付けられた花入れ4種。胎土に化粧土や釉薬を練りつけて強い表情を出しています。表面に重ねられた土を見ると、新表現主義の画家 ジュリアン・シュナーベルのペインティングを思い起こします。
阪本健さんの場合、原土の個性を薪窯焼成によって内側から引き出すのではなく、表面を覆う化粧土や釉薬に顔料などを加えて電気窯で演出的にこの変化を狙っています。ご自身の製作環境を踏まえて、如何に人工的にこれを演ずるか。作為をもって「あざとく」仕掛けを講じるかが作風の基本です。
重ね合わせた土や釉薬は一見すると激しくもありますが、土だからこそ出来る特性を活かしています。暮らし向きの器は、作者の作為を隠して無作為を美徳とする風潮がありますが、阪本さんのあからさまな作為はむしろ潔く感じるのです。




阪本健 展 アンフォルメル
Takeshi Sakamoto Art informel
2023年9月9日(土)~16日(土) 会期中無休
11:00~18:00 最終日は17時迄
ギャラリーうつわノート
埼玉県川越市小仙波町1-7-6
Takeshi Sakamoto Profile
1973年 大阪府寝屋川市生まれ
1993年 なんばデザイナー学院卒業
1993年 丹波焼 市野信水氏に師事
1999年 兵庫県篠山市にて独立
2006年 大阪府堺市に工房を移す
2023年 現在同地にて制作


by sora_hikari | 2023-09-11 19:06 | 阪本健展