2023年 07月 16日
「北川和喜展 Scratch Color Dance」開催のお知らせ
7月22日(土)~29日(土)に開催する「北川和喜展 Scratch Color Dance」のご案内です。
岐阜県多治見市の北川和喜さんは、器の外側にスクラッチパターンを彫り、まるで色がダンスしているようなリズミカルでポップなデザインの植木鉢や食器を作っています。泥状の粘土を型に入れて成形する泥漿鋳込みと呼ばれる技法を使います。液状にした磁土に顔料を入れて着色し、それを石膏型に何回にも分けて鋳込むことで、下地にさまざまな色を積層させます。乾燥後にその表面をシャープに削り取って焼成することで、このようなカラーパターンが作り出されるのです。アイテムはカップ、ボウル、プレート、花器に加えて、サボテン、多肉植物、塊根植物などの植木鉢を作っているのが特徴です。
京都精華大学時代はプロダクトデザインを専攻し、その後多治見市の意匠研究所へ進みました。意匠研卒業後は、陶器の商社で営業やデザインの仕事を4年間経験した後、多治見市で2020年4月に独立しました。しかしまさにコロナ禍が広がり始めた頃で外向けに発表する機会はほとんど閉ざされていました。それゆえに自分の作品を伝えるのに活用したのがインスタグラムでした。ちょうど世の中も外に出掛けることが出来ないために「お家時間」の意識が高まり、若い人たちが目を向けたのがサボテンなど室内で育てることが出来る観葉植物だったのです。その需要に合わせるように植物を入れる鉢を作ることで徐々に活路は開かれました。
もともと作家に対する憧れは強くなく、メーカーやお店の人と相談しながら考えていくデザイナーと作家の境界の仕事に関心があると言います。原土や薪窯といった自然性を謳う焼き物よりも、計画されたデザイン的な陶芸の方が好きで、同じ形を繰り返して作ることができる泥漿鋳込みを選んだのもそのためです。とは言っても今はまだひとり窯元のような状態で、労働集約的な仕事が主ですが、いずれはデザイナーとして器の在り方を追求していくことになるのでしょう。まだ年齢も若く何事にも前向きです。色使いやパターンのセンスも作品を見れば伝わってくることと思います。この夏にビビットな新人作家の登場です。炎天下での開催となりますが、初々しい北川和喜さんのお仕事をご高覧頂けますことを願っております。店主
北川和喜展 Scratch Color Dance
2023年7月22日(土)~29日(土)
作家在廊日 7月22日
営業時間 11時~18時 最終日は17時まで
ギャラリーうつわノート
埼玉県川越市小仙波町1-7-6
プロフィール
1991年 京都府京田辺市生まれ
2014年 京都精華大学デザイン学部卒業
2016年 岐阜県多治見市陶磁器意匠研究所修了
2016年 多治見の陶器商社勤務
2020年 多治見市にて独立
2023年 現在同地にて作陶
by sora_hikari | 2023-07-16 09:00 | 北川和喜展