「梶原靖元展 焼物漫遊記」7日目

梶原靖元展 焼物漫遊記」の7日目。

会期は明日6月3日(土)までとなりました。最終日は17時で終了させて頂きます。

写真は佐賀県唐津市佐里の梶原靖元さんの工房の様子です。

梶原さんの工房は、唐津焼きの起源とも言われる岸岳古窯跡群の一つ飯洞甕窯跡の近くにあり、古い韓国式の住まいを参考にして建てました。古唐津の原料は、石である。この考えを基に、地元・唐津で採れる石(砂岩や頁岩)を臼を使って砕きます。窯焚きも独特の考えで焼成時間は、わずか半日。粘土で作られた半地下式の穴窯。壁面は薄く、短時間で温度が上がり、石を素材にした器は堅く焼き締まります。当時の陶工たちが行った合理的な方法であると考えています。地元で豊富にある素材を使って、シンプルな生産方法であった。その実証こそが、梶原さんの器づくりの基本軸になっています。梶原さんの器は過剰な造形も飾りもなく、一見するにとても素っ気なく見えます。それゆえに見る側の内面が問われているようで、どう美を見出すかという相互作用が生まれるのです。400年前、酸化焼成の焼け損ないであった碗から、侘の美を見出したのと同様の意識に立てる喜びがあるのです。茶人に見立てられる以前の姿。唐津に限らず、梶原さんが諸国を旅して見出そうとするのは、当時の祖型となる焼き物の姿です。

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梶原靖元展 焼物漫遊記  
2023年5月27日(土)~6月3日(土)会期中無休
営業時間 11:00~18:00 最終日は17時迄
ギャラリーうつわノート 
埼玉県川越市小仙波町1-7-6

プロフィール
1962年 佐賀県伊万里市生まれ
1980年 唐津焼太閤三ノ丸窯に弟子入り
1986年 京都 平安陶苑にてクラフトを習う
1989年 大丸北峰氏に師事して煎茶道具を習う
1997年 佐賀県唐津市相知町に穴窯築窯
2023年 現在、唐津市相知町佐里にて作陶

by sora_hikari | 2023-06-02 18:06 | 梶原靖元展2023

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