「田村文宏展  日本焼物創生(猿投・瀬戸・渥美)」7日目

田村文宏展  日本焼物創生(猿投・瀬戸・渥美)」の7日目。

田村文宏さんの古瀬戸狛犬。鉄釉と灰釉の2種類が展示されています。瀬戸では鎌倉から明治までの500年に渡って神社に奉納する陶製の狛犬が焼かれました。猿投・瀬戸の蒐集家として知られる本田静雄コレクションにも多くの狛犬が含まれています。

狛犬の起源は古代オリエントの獅子(ライオン)が起源と言われ、日本には韓国を経由して伝来し「高麗犬」と書かれることもあります。当時の日本にはライオンはいなかったでしょうから、麒麟や龍と同様に見たことのない霊獣として戯画化されていったのです。

神社の入り口の左右に鎮座する狛犬は邪気を祓い、神前を守る意味を持っています。開いた口元と閉じた口元の阿吽(あうん)は、元々サンスクリット梵字12字のの始め「阿」と終わりの「吽」にあたり、宇宙の始まりと終わりを表すと言われます。

さて、この田村さんの狛犬は、宮中で魔除けのために用いられた古瀬戸時代に基づくものです。灰釉は古瀬戸らしい色合いですが、鉄釉の方は茶色でなく、深い紺色に焼き上がり、ところどころに青みを帯びた点が珍しいでしょう。また厳しい表情をしていそうで、後ろ姿の巻いた尻尾が愛らしく、可愛くも見えます。沖縄のシーサー同様に現代の守り神として家に置いてみるのも良さそうです。

22) 鉄釉狛犬(阿吽)/瀬戸(幅13・高さ28cm)
3) 灰釉狛犬(阿吽)/瀬戸(幅14・高さ27cm)

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【田村文宏展オンラインストア】
https://utsuwanoteshop.stores.jp/
公開期間:4/18 20:00~4/22 23:00迄

田村文宏展  日本焼物創生(猿投・瀬戸・渥美)
2023年4月15日(土)~22日(土) 
営業時間 11時~18時 最終日は17時まで
ギャラリーうつわノート
埼玉県川越市小仙波町1-7-6

プロフィール
1978年 愛知県岡崎市生まれ
2000年 東南アジア・インドへ遊学     
2004年 瀬戸窯業高等学校陶芸専攻科卒業
2005年/06年 ホンジュラス共和国にて窯業サポート
2010年/12年/14年 カンボジアにて窯造りの手伝い
2021年 笠間陶芸大賞展二部 優秀賞
2023年 現在、愛知県岡崎市で制作

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by sora_hikari | 2023-04-21 11:45 | 田村文宏展2023

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