「田村文宏展　日本焼物創生（猿投・瀬戸・渥美）」2日目 : うつわノート

2023年 04月 16日

「田村文宏展　日本焼物創生（猿投・瀬戸・渥美）」2日目

本日もご来店頂きありがとうございました。

これほどの歴史を有しながら、この地域（猿投、瀬戸）のこの時代（中世初期、桃山以前）の焼き物に取り組む作り手の少なさは不思議に思います。それは永仁の壷以来の時代の仇なのか、桃山賛歌から見た中国陶磁を背景とする焼き物の忌避なのか、いや単に流通規模の小ささゆえの商品価値の乏しさ（志野、黄瀬戸、織部、古唐津、備前、井戸に比して）なのか。あくまで想像の域を出ませんが、しかしこれほど芯のある焼き物と、その清廉とした美しさをないがしろにするのは、とても惜しいことだと思います。メインステージにあがらないもどかしさもありつつ、しかしだからこそ取り上げる面白さがあると思いますが。田村文宏さんのように、瀬戸の周辺にいる（つまりどっぷりと浸からない外野ゆえに）若い作り手が、あらためてその美しさに触発され、探求心をもつことは意義深いことだと思います。