2023年 02月 09日
「永草陽平展 虹彩の眩惑」6日目-2
「永草陽平展 虹彩の眩惑」の6日目-2。
永草陽平さんの窯変流彩の鉢と茶碗です。中心に向かって釉薬が吸い込まれるように流れ落ち、幻想的な景色を描いています。
これらは一種類の釉薬を窯の熱で溶かすことで生まれるグラデーションの不思議です。地球の鉱物は花火のごとく炎色反応によって、様々な色を生み出します。鉱物を含んだ釉薬もまた高温で焼成されることで無限の表情を見せてくれます。鉱物の魔法に憑りつかれた陶芸家は、如何に宝石のような現象を器に定着させるかを構想し、微量の調合と実験を繰り返す、いわば美の錬金術師でもあるでしょう。
また永草さんの器の形は、約1000年前の中国の定窯を思わせます。その当時、西方から伝わった金属器やガラス器の影響を受け、薄造りでシャープなフォルムをしています。鉢や茶碗の裏を見ると、定窯白磁に見られる「涙痕(るいこん)」のような釉の流れがあり、器の裏の繊細な色の変化と共に見どころのひとつになっています。
写真ではなかなか伝えづらい窯変流彩の作品ですが、この幻想的な世界観にぜひ触れて頂ければと思います。
【永草陽平展のオンラインストア】
2/11 23時迄
永草陽平展 虹彩の眩惑
2023年2月4日(土)~2月11日(土) 会期中無休
11:00~18:00 最終日は17時迄
ギャラリーうつわノート
埼玉県川越市小仙波町1-7-6
1986年 愛知県春日井市生まれ
2009年 福井大学知能システム工学科 修了
2014年 多治見市陶磁器意匠研究所 修了
2023年 愛知県春日井市にて制作
by sora_hikari | 2023-02-09 19:10 | 永草陽平展2023