「雅風急須 伊藤雅風の仕事」5日目

雅風急須 伊藤雅風の仕事」の5日目。

常滑の伝統技法である藻掛け急須です。知多半島西岸の常滑は海が近く、地元で採れるアマモと呼ばれる海藻を急須に巻き付けて焼くことで、それ含まれる塩分が反応して緋色に発色する装飾技法です。意図的な装飾ながら、人の描く絵付けとは異なり、海藻の毛細状の自然模様が面白く、焼締めの土に変化をもたらします。

藻掛けは江戸後期に常滑の陶工・伊奈長三(二代)が完成させた言われ、歴史ある技法なのです。備前焼の緋襷(ひだすき)も藁(わら)による緋色の装飾で知られていますが、藁の直線的な模様に対し、海藻の面的な模様は常滑の藻掛けならではです。

「雅風急須」の場合は、コアマモという細いアマモを選び、繊細な柄が出るように意図しています。雅風さんがまだ若い頃、大将(村越風月氏)の元で修業していた時に、一緒に海岸に採りに行ったコアマモを今でも使っているそうです。海で採れたものがそのまま使える訳ではなく、天草や貝などの不純物を取り除き、数回洗って砂と塩分を適度におとし、その後はしっかり乾燥させる手間のかかる作業です。

白い胎土をキャンパスにした明瞭な藻掛け急須、一方で濃灰色に落ち着きのある藻掛け急須。どちらがお好みでしょうか。


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本日時点(12/21夕方)で残っている作品は、総数55点(急須29点、茶銚5点、絞り出し11点、蓋碗4点、茶海3点、茶心壷2点、茶通置き1点)となっております。ご来店の際に参考になさってください。

※オンライン販売は12月24日(土)夜から予定しております。


雅風急須 伊藤雅風の仕事
2022年12月17日(土)~25日(日)
11時~18時 最終日は17時迄 
作家在廊日 12月17日・18日
ギャラリーうつわノート
埼玉県川越市小仙波町1-7-6

略歴
1988年 愛知県常滑市に生まれる
2007年 常滑高等学校セラミック科卒業
2009年 村越風月氏に師事
2011年 名古屋造形大学産業工芸コース卒業
2012年 独立
2022年 現在、愛知県常滑市にて制作


上段左から
黒泥急須 胴径11・高さ8cm 180cc
藻掛大平丸急須 胴径17.5・高さ6cm 210cc
松花烏泥急須 胴径10.5・高さ8cm 160cc
青藻掛蓋碗 口径10・高さ7cm 70cc

下段左から
朱泥茶銚 胴径13.5・高さ6.5cm 170cc
藻掛平角形茶銚 胴径14・高さ4.5cm 100cc
黄泥急須 胴径11・高さ6.5cm 140cc
黒泥茶碗(内刷毛目) 30cc/黒泥打出紋茶托/黒泥船形湯冷耳付 120cc/黒泥茶心壷 100ml


by sora_hikari | 2022-12-21 18:00 | 伊藤雅風展2022

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