2022年 10月 25日
「若林幸恵 漆工展 刳りもの」4日目
「若林幸恵 漆工展 刳りもの」の4日目。










若林幸恵展オンラインストアのプレビューをスタートしました。購入手続きは、明日10月26日(水)20時~10月30日(日)23時まで承ります。関心のある方はどうぞご覧ください。尚、実店舗での販売を同時に行っておりますので、先に売約済みになる場合がございます。あらかじめご了承ください。
本日ご紹介するのは、今展の表題にもなった「刳りもの」です。堅い栗の木を薪割り機で割った際に出来た動きのある表情を活かして、片口、椀、鉢に加工しています。木工旋盤で左右対称の回転体を削りだす整った椀とは異なり、自然が生み出した木の形に添って、用途を与えた彫刻的な作品であり実用の道具です。表面は拭き漆で仕上げてあり、透けて見える木目の息吹をそのまま留めています。
一見すると強い造形に思えますが、実際に手にすると円やかに包める優しい形であることが分かります。時折、絵付けの椀と対比すると同じ作者でないと思う方もいるようですが、下部や末端をはじめ全体を大らかな曲線でまとめる造形感覚はどちらにも共通しており、例えば下腹部の豊かな土偶に通じ、女性のボディラインを描くように、若林さん特有の手による形だと分かるのです。挽き物の椀が弥生的な洗練であるなら、刳り物は縄文的な大らかさと神秘性を宿しているように思います。










若林幸恵 漆工展 刳りもの


2022年10月22日(土)~10月30日(日) 会期中無休
11:00~18:00 最終日は17時迄
ギャラリーうつわノート
埼玉県川越市小仙波町1-7-6
略歴
1972年 東京都生まれ
1998年 東京藝術大学大学院工芸科漆芸専攻修了
2022年 現在 埼玉県川越市にて制作


by sora_hikari | 2022-10-25 18:42 | 若林幸恵展