2022年 10月 17日
「若林幸恵 漆工展 刳りもの」開催のお知らせ


10月22日から30日まで開催する「若林幸恵 漆工展 刳りもの」のご案内です。
若林幸恵さんは木地から上塗りまで一貫した挽き物(椀や鉢等)と刳り物(蓋物や片口等)を制作しています。ろくろ挽きした椀は色漆や漆絵を施した女性的な優しい表現の器が多く、一方の無垢の木から刳り出した蓋物や片口は素材の息吹を活かした男性的な力強さを持っています。
どちらも自然素材の木を使う訳ですが、挽き物は使う側の都合に合わせた道具の形が与えられ、刳り物は素材それぞれの特徴に添って役割が見出されるように、それぞれの製作は思考のアプローチが異なるのです。この素材の捉え方の併用が若林さんの漆器の立ち位置をユニークにしているのですが、漆絵はペインティングナイフを用いた絵画的表現であったり、木を彫刻的に表現した刳りものだったり、両者とも手の感触を残した身体性が底流で繋がっています。
今展は「刳りもの」をタイトルにした通り、一品性の高い彫刻的アプローチの漆器が多く並びます。この場の特性を考えて彼女なりの選択ですが、従来の展示イメージとは違ってどういう風景になるのか楽しみです。日頃は遠方に住む作家が多い中、弊店の隣駅の古い商店街の一角で製作しているという奇縁もあり、今展の運びとなりました。どうぞ若林さん渾身の刳りものをご高覧ください。店主
若林幸恵 漆工展 刳りもの
2022年10月22日(土)~10月30日(日) 会期中無休
作家在廊日 10月22日・23日
11:00~18:00 最終日は17時迄
ギャラリーうつわノート
埼玉県川越市小仙波町1-7-6
略歴
1972年 東京都生まれ
1998年 東京藝術大学大学院工芸科漆芸専攻修了
2022年 現在 埼玉県川越市にて制作
by sora_hikari | 2022-10-17 18:00 | 若林幸恵展