2022年 10月 03日
「吉田佳道展 竹の構造美」開催のお知らせ
10月8日(土)から16日(日)まで開催する「吉田佳道展 竹の構造美」のご案内です。
直線的で清らかな素材、竹。大きく曲げても折れない「靱性」と、力を除くと元に戻る「弾性」に優れ、そのしやなかさゆえに昔から建材や生活道具として使われてきました。火力による化学変化を伴う陶磁器やガラスと異なり、竹工芸は素材そのものを用い、その特性自体が外形の美しさに表われます。それは橋梁や鉄塔のように構造体が建造物の審美性を表すのと同様に力学的な整合性の上にうえに成り立っているのです。
日本各地で植生し、昔から建材や日常道具として使われてきた身近な素材ですが、それを作品として表現する竹工芸作家が花開くのは意外と遅く、明治時代に煎茶趣味と共に中国から入ってきた竹工芸がきっかけでした。現在は伝統工芸の技を極める領域を頂点に、生活道具の竹籠などを中心に作る作家も増えています。
このような中、吉田さんは職人的態度と作家としての美学を基に、暮らし側から見た竹の美の在り方を求め続けてきました。伝統工芸の特殊領域でもなく、また生活用具の文脈とも一線を画しています。極に寄らず両者の間に座する竹の可能性とは何か。特に花を受けるための竹花籠にフォーカスした創作は吉田さんならではの拘りの領域です0.25ミリの竹ひごで編まれた緻密な竹花籠が日常にもたらす凛とした空気。美と暮らしを繋ぐ竹の花籠の長年の提案は、吉田さんの矜持なのです。
弊店三回目となる展示会です。前回2020年はコロナ禍によりオンラインのみの展示会でしたが、今回久しぶりに作品に触れながらお選び頂ける機会となります。どうぞ皆様のご来店をお待ちしております。店主
吉田佳道展 竹の構造美
2022年10月8日(土)~10月16日(日) 会期中無休
作家在廊日 10月8日・9日
営業時間 11:00~18:00 最終日は17時迄
ギャラリーうつわノート 埼玉県川越市小仙波町1-7-6
049-298-8715 utsuwanote@gmail.com
吉田佳道(よしだ・よしみち)プロフィール
1962年 大阪府生まれ
1988年 大分県別府にて竹工芸を学ぶ
1993年 長野県安曇野市にて独立
2022年 現在、同地にて制作
写真)
浮葉 幅72・奥行50・高さ13cm
櫛目広口竹花籠 幅17・奥行18・高さ29cm
by sora_hikari | 2022-10-03 18:00 | 吉田佳道展2022