2022年 08月 07日
「沢田重治と外池素之展 常滑古今」ありがとうございました
「沢田重治と外池素之展 常滑古今」は本日終了しました。会期中ご来店下さいました方、ネットを通じてお選び下さいました方、皆様に心より御礼申し上げます。尚、オンラインストアは本日8/7 23時までご利用頂けますのでお見逃しの方はどうぞご覧ください。
昨年の同時期には岐阜県の粘土をテーマにした企画展を行い、今年は常滑焼の歴史に触れる企画を実施しました。日本には有数の窯業地があり、その歴史を知ることは、うつわの原点を探ることにも繋がります。現世の人気作家をずらりと並べるよりも、むしろ産地を下支えする仕事や、時代の影に隠れてしまいそうな人物にスポットをあてることで新たに気づく産地の価値もあるように思います。
今回は常滑の急須問屋の磯部商店さんに置かれた沢田重治さんの壷を見たこと、そしてそれを買い、調べることで見えてきた職人仕事の延長にある常滑焼の歴史の奥深さでした。何より沢田重治さんの実直で飾らないお人柄が見えてきて、この仕事を紹介してみたいと思いました。ガラスケースの向こう側に置かれた壷ではなく、実際に手に取り、買うことができる、その現実感が大切だと思いました。
今回幸運にも、とこなめ陶の森の小栗康寛さんに壷の収集をお導きいただけたこと、そして自らの製作を顧みずにサポートしてくれた外池素之さんがいたからこそ実現できた企画展でした。常滑焼の歴史をお伝えするには甚だ表層的な試みでしかありませんが、僅かでも職人魂をもって常滑焼の技術を伝承しようとし続けた沢田さんのお仕事が再認識されることを願っております。
写真は常滑のやきもの散歩道にある古い窯跡。方々に立つ煙突からもう煙がのぼることはありませんが、外池さんを始めとする若い世代がこれからの常滑焼を作り出していくことを楽しみにしています。
この度はありがとうございました。
by sora_hikari | 2022-08-07 17:27 | 沢田重治・外池素之展