「松田苑子・黒木紗世 二人展 花の記憶」4日目

松田苑子・黒木紗世 二人展 花の記憶」の4日目。

先ほど「松田苑子・黒木紗世二人展」のオンラインストアをプレビューしました。ご購入は明日7/20(水)20時から7/24(日)23時までご利用頂けます。店頭でも同時販売しておりますので、先に売約済となる場合がございます。何卒ご了承ください。
https://utsuwanoteshop.stores.jp/

写真は松田苑子さんの「ときの箱」と名付けられたガラス作品四選です。

松田さんは石膏型にガラス粉を鋳込んで電気炉で溶かし、その後削りとサンドブラストで模様を彫っています。いわゆるパート・ド・ヴェールと呼ばれる鋳込みガラスの技法です。「型」を使えば同じものが量産できそうに思いますが、石膏型は1点づつ専用に作り、炉から出した後はハンマーで割りガラスを取り出すため1回しか使うことができません。また型から外した状態はかなりのバリがあり、その切断と削り、そして蓋と箱の合わせを丹念に削って調整していく根気のいる作業です。さらに模様も1点づつスケッチしたオリジナルの草花文で、その柄をマスキングしてサンドブラストで研磨していきます。フラットに砂を噴射すれば、通常は平面的な凸凹になりますが、この4つのガラス箱を見ると、花の模様がレリーフ状に立体的に表現されていることが分かります。これは砂を噴射する際に強弱をつけながら彫る厚さをコントロールしているのです。言葉だけでは、なかなかこの作業工程が理解できませんが、美しく幻想的なガラスの箱は、過酷とも言えるほどの作業を積み重ねることで生み出されるのです。松田さんにしか分からない、ひとつひとつの箱に苦労があり、思いがある。そこに使う人が新たなドラマを容れていくのです。「ときの箱」という名は、作業を重ねた「時」と、これから生まれる未来の「時」が掛け合わされることを意味するのでしょう。

※松田苑子さんのインスタグラムの動画で作業の一部をご覧いただけます。
https://www.instagram.com/tv/CUR6exbFLqf/

写真順
#32 ときの箱 集花 Φ6.0/H3.0 cm
#35 ときの箱 四花 Φ6.0/H3.5cm
#36 ときの箱 キボウシ Φ6.0/H3.5 cm
#19 ときの箱 青花 W6.0/D5.0/H3.5 cm

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松田苑子・黒木紗世 二人展 花の記憶
2022年7月16日(土)~24日(日) 
11:00~18:00 最終日は17時まで 
ギャラリーうつわノート 
埼玉県川越市小仙波町1-7-6 

松田苑子 略歴
1986年 福岡県生まれ
2011年 多摩美術大学工芸学科ガラスプログラム卒業
2013年 東京藝術大学大学院修士課程ガラス造形修了
2015年 金沢卯辰山工芸工房修了
2022年 現在、京都府南部にて制作

黒木紗世 略歴
1989年 京都府生まれ
2008年 京都市立銅駝美術工芸高等学校 漆芸専攻卒業
2013年 京都市立芸術大学 漆工科髹漆専攻卒業
2016年 金沢卯辰山工芸工房 漆芸技術研修者修了
2022年 現在、金沢市内にて制作



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by sora_hikari | 2022-07-19 18:58 | 松田苑子・黒木紗世展

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