「松田苑子・黒木紗世 二人展 花の記憶」開催のご案内

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7月16日(土)から7月24日(日)まで開催する「松田苑子・黒木紗世 二人展 花の記憶」のご案内です。初日の7/16は事前予約制となります。申込方法はこちらをご覧ください。

今展は鋳込みガラスの箱を作る松田苑子さんと針描き技法で植物をモチーフにした漆器を作る黒木紗世さんとの二人展になります。

京都府で制作する松田苑子さんは、ひとつひとつ手作りした石膏型にガラスを鋳込んで箱を作っています。型から取り出した後に自ら描き起こした草花の模様をマスキングし、サンドブラストで彫り込んでいきます。石膏型は1回しか使えず、また模様を浮き立たせるために時間のかかる地道な作業が続きます。そうして出来たガラスの箱はまさに一点もの。用途を限定していませんが、「大切なもの」を入れて欲しいと願っています。「ときの箱」と名付けた作品にジュエリーや茶葉などの他に、へその緒、遺族の遺骨などを入れるとお客様から聞き、作る側の想像を超えた使い方を知ると、当初は空っぽの箱が使う人ごとに意味が生まれ、作り手と使い手の時間が交錯することで箱に生命が吹き込まれるのです。

一方、金沢市で制作する漆芸家・黒木紗世さんは、黒色や赤呂色を下地にして蒔絵のいち技法である「針描き」で植物を描いています。漆を塗った面に金属粉を蒔き、乾かないうちに針で文様を描き込んでいく根気のいる仕事です。模様を描く際は植物の目線に立ち、花の短い生涯を取り巻く情景を漆で留めることを心掛けています。絢爛豪華な蒔絵とは一線を画し、錫色と黒色のツートーンは落ち着きのある妖艶な世界を生み出します。平面的な皿や鉢は版画的であり大胆な構成な模様に心を奪われます。一方、立体的な蓋物や茶入は周囲に描かれた模様が輪舞曲のように繰り返され、その世界に引き込まれていきます。またそっと触れるとプリントとは異なるマチエールがあり、微かな感触が針描きの立体を感じさせ、視覚のみならず触覚による素材との対話が生まれることでしょう。

お二人の素材は異なりますが、お互いに「花の記憶」を刻む作品が同じ空間で響き合う展示会です。どうぞご高覧ください。店主

松田苑子 略歴
1986年 福岡県生まれ
2011年 多摩美術大学工芸学科ガラスプログラム卒業
2013年 東京藝術大学大学院修士課程ガラス造形修了
2015年 金沢卯辰山工芸工房修了
2022年 現在、京都府南部にて制作

黒木紗世 略歴
1989年 京都府生まれ
2008年 京都市立銅駝美術工芸高等学校 漆芸専攻卒業
2013年 京都市立芸術大学 漆工科髹漆専攻卒業
2016年 金沢卯辰山工芸工房 漆芸技術研修者修了
2022年 現在、金沢市内にて制作

松田苑子のガラス箱、黒木紗世の漆器 花の記憶
2022年7月16日(土)~24日(日) 
*初日7月16日は予約制になります。申込方法はこちら をご覧ください。
作家在廊日 7月16日・17日
営業時間 11:00~18:00 最終日は17時まで 
ギャラリーうつわノート 埼玉県川越市小仙波町1-7-6 





by sora_hikari | 2022-07-11 09:00 | 松田苑子・黒木紗世展

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