「西垣聡ガラス展 Bogie」ありがとうございました

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西垣聡ガラス展 Bogie」は本日終了しました。会期中ご来店下さいました方、ネットを通じてお選びくださいました方、皆様に厚く御礼申し上げます。尚、オンラインストアは本日6/26の23時までご利用頂けますのでお見逃しのものがございましたら、どうぞご覧ください。

2019年以来、2回目となる個展でした。前回は富山県で製作していましたが、その後長野県の安曇野近くに引っ越し、陶芸家である奥様(片瀬有美子さん)と小さなお嬢様(三人)と暮らしながら、お互いの製作を支え合っています。

宙吹きは金沢の共同工房で行い、後加工を長野の自宅で行っています。その多くは分厚く吹いたガラスをグラインダーで削り出していく作業に費やされます。スタッズ模様をカットし、残ったフラットな余分なガラスを一律に削るとても地道で手間のかかる作業です。

生まれは京都。地元で美容師の職を経て、富山ガラス造形研究所で基礎を学んだ後に助手。さらに金沢卯辰山工芸工房で作家としての独自スタイルを築きました。ガラス作家にとってガラス研、卯辰山は美術工芸系のメッカであり、日用のガラスよりも美術、オブジェ寄りの作品志向の強いイメージがあります。西垣さんも前衛的作品に取り組みつつも、今展の主題となるスタッズグラスに見られるように、実用+スタイルを求めた「かっこ良さ」が特徴でしょう。それは所有する人の満足感=物欲に直結するストレートな表現だと思います。

飾りのない自然体な器も良ければ、飾りのある表現的な器もあります。作り手の意識も自然体を装いながら意図的な人もいれば、飾りを施しながら自然体な心構えで臨む人もいます。ひと頃までは飾りは表層的な行為として排する思いもありましたが、時代も一巡してなんと狭量なことかと改めました。いずれであっても所有する人の満足感に直結する選択だと思います。どちらか一方のみで「うつわ」の価値を図るのはおかしなことでしょう。

今回お持ち帰り頂きました西垣さんのガラスが皆様のもとで、大いに使い、楽しみ、感動して頂けることを願っております。この度はありがとうございました。


by sora_hikari | 2022-06-26 17:00 | 西垣聡展2022

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