「藤田佳三展 黄泉の豊穣」開催のお知らせ

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鉄彩三彩明器舗
幅23/奥行9/高さ16.5cm


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染付双魚文輪花鉢
径25.5/高さ7.5cm


6月4日(土)から6月12日(日)まで開催する「藤田佳三展 黄泉の豊穣」のご案内です。

青い屋根の陶器の家(表紙)。屋内には三彩の施された人物が佇み、両側に壺が置かれています。藤田佳三さんの作る「明器舗」です。古代中国では神明の器を意味する「明器」が死者と共に副葬されました。死後も生前と変わらぬ豊かな生活ができるようにとの願いを込めて、祭祀用の器物や家財のミニチュア、従者、家畜などが作られ、発掘品を通して何千年も前の人々の暮らしを垣間見ることができます。

また鯉の双魚が描かれた染付の輪花鉢(宛名面)のように、立身出世や子孫繁栄を象徴する吉祥の絵柄も中国や東南アジアの器には多く用いられています。誰しもやがて黄泉に招かれるゆえに日々の糧に感謝し生を謳歌すること、器にはその仲立ちの役割も備わっているのかもしれません。

京都府亀岡市の藤田さんの作る器は、中国・東南アジア・中東までのシルクロードに通ずるモチーフを引用していますが、単に食器を彩るだけに留まらず、その根底には人々の豊穣を願う思いが込められているのです。

40年近いキャリアの持ち主で修業のフィールドは京都。うつわ業界の移り変わりも目の当たりにしてきた経験豊富な作り手です。京都の器づくりで培われた気品と、食器問屋の数ものの仕事をこなしてきた下積みの経験が今の藤田さんの骨格を支えています。磁器の硬質な絵と異なり、陶土に白化粧を施した上に描く、洒脱なタッチの柔らかな染付や赤絵の食器に定評があります。

弊店で4回目となる個展です。今回も明器のような一品物から多様な器で楽しませてくれることでしょう。どうぞご高覧ください。店主

藤田佳三展 黄泉の豊穣
2022年6月4日(土)~12日(日) 
営業時間 11時~18時 最終日は17時迄 
作家在廊日 6月4日・5日
ギャラリーうつわノート 
埼玉県川越市小仙波町1-7-6

プロフィール
1963年 京都市生まれ
1982年 京都市銅駝美術工芸高校卒業
1986年 京都芸術短期大学陶芸専攻科修了
1987年 小川文斎氏に師事
1990年 兵庫県丹波立杭にて修行
1993年 京都府亀岡市にて独立開窯
2022年 現在、同地にて制作


by sora_hikari | 2022-05-30 17:25 | 藤田佳三展2022

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