2022年 05月 15日
「太田修嗣展 バイプレイヤー」9日目
「太田修嗣展 バイプレイヤー」の9日目。





本日最終日となります。
写真は今展の案内状の表紙に使った洗朱根来高台盆。直径36cm、高さ8cmの堂々たる風格です。今展では脚付きの皿が多く出品されていますが、これは高盤にあたります。食卓から少し盤面を浮かすことで、食を捧げるようにとの意図があり、祭祀の供物台に近い存在です。太田さんのこれも、うやうやしく食を盛るか、酒席や茶席での利用も良いでしょう。
色は洗朱(あらいしゅ)というやや黄色みを帯びた薄い朱色で、漆器でよく使われる深いワインカラーよりもオレンジに近い色合いです。この洗朱を「根来(ねごろ)塗り」で仕上げています。根来塗りは、鎌倉時代に現・和歌山県の紀伊国根来寺の寺で使われた漆の什器が語源ですが、その後、朱塗りが使い込まれて下地の黒色が透けた古い漆器の総称となり、またそれを模した現代の変り塗の一種として定着している技法です。
この高台盆の場合、下地の黒を演出的に強調することなく、かなり抑えめにムラのある筆で透かしているところがポイントでしょう。見せようとするよりも、感じさせようとする根来の仕上げが、かえって抽象画のように見え、単調ではない朱色の景色が盤面に広がるのです。



太田修嗣展 バイプレイヤー
2022年5月7日(土)~15日(日) 会期中無休
営業時間 11:00~18:00 最終日は17時迄
ギャラリーうつわノート 埼玉県川越市小仙波町1-7-6
プロフィール
1949年 愛媛県松山市生まれ
1981年 鎌倉・呂修庵にて塗師の仕事を始める
1983年 村井養作氏に師事 蒔絵や変り塗りを学ぶ
1987年 神奈川県厚木市にて独立(ろくろ・指物・刳物一貫制作の工房を開く)
1994年 愛媛県広田村(現・砥部町)に移転
2022年 現在 同地にて制作


by sora_hikari | 2022-05-15 09:00 | 太田修嗣展2022

