「瀬川辰馬展 Compile of Ceramics」ありがとうございました

瀬川辰馬展」は本日終了しました。会期中ご来店下さいました方、ネット経由でお選び下さいました方、皆様に心より御礼申し上げます。ギャラリーでの展示会は終了しましたが、オンラインストアは本日4/10 23時までご利用頂けます。

【瀬川辰馬展オンラインストア】

写真は東京・千住にある瀬川辰馬さんの工房の様子。下町の商店街の一角にある古民家を改装しています。一時期、千葉県・房総半島内陸の長柄町で製作していましたが、今はこちらを中心に活動しています。田舎暮らしよりも、ふらっと飲みに行ったり、映画や音楽に気兼ねなく触れられる環境が自分には合っていると言います。身近な娯楽や人付き合い、そんな都会で得られる文化との距離感が制作の上でも大切なようです。

工房に伺った際に多治見意匠研の卒業制作作品のファイルを見せて頂きました。古いスマートフォン、昔のアクセサリー、銀塩カメラ、錆びたブリキ缶など、使い終わった道具や個人的思いのあったものを粉砕して、釉薬に混ぜてそれを器とした作品がとても印象に残りました。かつては意味を有していた文明の利器や思い出の品を、高温焼成することで化学変化を起こし、別の意味に繋げていく。単なる造形ではなく、コンセプチュアルなアプローチが陶芸家として新鮮でした。この姿勢は、今の金属彩の器づくりの根底にも流れているのだろうと思います。

うつわという受動的役割を考えれば当然のことですが、基本的には迎合的であり、生活を背景にした価値観が多くを占めるでしょう。あるいは、陶芸史に則した文脈や精神論、茶の湯や懐石などの和文化に通じたコンサバティブな論考も多く散見されます。

瀬川さんの場合は、金属彩という特殊性もありテクニカルオリエンテッドになりがちですが、実際にお話してみると、その背景にはもっとメディアとして器に対するコンセプトが潜んでいて、従来の生活シーンや陶芸の文脈とはまた違った立脚点が特異だと思います。今後は現在の金属彩のバリエーションを広げる横展開の他に、如何に縦軸にそれを掘り下げていくのか、その秘めたる可能性を興味深く思いました。

かつてのクラフトフェア全盛期に比べて、現在はSNSを中心に作家自らが、作品をイメージづけ、言葉を発することが出来き易い時代です。それはここ2年間のコロナ感染拡大により、益々顕著になってきたように思います。瀬川さんのように自らの言葉を持ち、作品を伝え、その意図を語る。従来の陶芸家像とはまた違った新たな時代を感じる人物です。しかし、その時にギャラリーの役割とはなんなのか、仲介する意味や必然性はどこにあるのか、自問自答せざる得ない9日間でもありました。

どうぞこれからも瀬川辰馬さんの活躍にご注目ください。この度はありがとうございました。


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by sora_hikari | 2022-04-10 17:26 | 瀬川辰馬展

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