2022年 03月 27日
「山本亮平・平倉ゆき展 白瓷のアティチュード」最終日
「山本亮平・平倉ゆき展 白瓷のアティチュード」の最終日です。本日は17時で終了させて頂きます。
染付平杯(径8.5 高さ2.5cm)。染付の梅鳥文とありますから、目を凝らしてみると確かに微かな呉須が見てとれます。しかし梅も鳥も判別できぬ程に儚く溶け込み、さらに降りものによって益々その存在は消え去ろうとしています。これは見るというよりも、感じる文様という方が相応しいでしょう。染付の絵筆は奥様である平倉ゆきさんが担当されていますが、元々は鍋島焼の濃み(ダミ)を得意とする絵付け師でした。艶やかな絵付けの手練れだったにも関わらず、これほど薄く、淡く描くことはむしろ精神的達成がない限り感受できない仕事のように思います。400年前の初期の頃の染付にも不出来なものはありますが、これほど淡いものは無いそうです。「写しが写しでなくなるまで抽象化したい」とは山本さんの言葉。古典的モチーフを踏まえながらも、それをさらに昇華させて、唐津から有田への移行期の曖昧な風合いを、現代的な解釈で表現しているのです。




【山本亮平・平倉ゆき展 オンラインストア】3月27日(日)23時まで
山本亮平・平倉ゆき展 白瓷のアティチュード
2022年3月19日(土)~27日(日)
11時~18時 最終日は17時迄
ギャラリーうつわノート 埼玉県川越市小仙波町1-7-6
山本亮平
1972年 東京都生まれ
1998年 多摩美術大学油絵科卒業
2000年 佐賀有田窯業大学短期修了
2022年 佐賀県有田町にて制作
平倉ゆき
1978年 長崎県生まれ
2000年 佐賀有田窯業大学短期修了
2001年 絵付師として3年間活動
2022年 佐賀県有田町にて制作

by sora_hikari | 2022-03-27 12:17 | 山本亮平・平倉ゆき展